2021 Fiscal Year Annual Research Report
なぜ一見有望な農業技術が広まらないか?大規模ランダム化比較試験からの知見
Project/Area Number |
20H00075
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
高橋 和志 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90450551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Mohammad AbdulMalek 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20838958)
真野 裕吉 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40467064)
中野 優子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60648674)
木島 陽子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70401718)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ランダム化比較試験 / 集約的稲作技術 / バングラデシュ / インパクト評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
発展途上国において、低投入・高収量型の稲作農法として「System of Rice Intensification(SRI)」と呼ばれる技術が注目を浴びている。しかし、その普及率は一般に非常に低い。なぜ一見有望な農業技術が普及していないのか?本研究では、この大きな問いに答えるために、 バングラデシュを事例として、大規模ランダム化比較試験を実施する。とりわけ、一部の作業機械化による労働制約の緩和による影響やSRIや機械化を伴うSRIの所得・利潤効果 及び労働・生産物市場への一般均衡効果を検証する。 2020年度から研究が開始されたが、2020年度はコロナの影響により、実質的な現地の作業がほぼできなかった。2021年度は、遅れを取り戻すべく、以下を実施した。a) 調査対象地域の特定、b)家計・村落調査実施機関の選定、c)ベースライン家計・村落調査、d)機械化を伴うSRIのデモンストレーション。 家計・村落調査は、現地の農業事情に詳しいSocioeconomic Consultantに委託している。これまで、全対象75カ村の村レベルの情報(インフラ状況、賃金率など)と実験開始前の家計情報(家計構成員の属性、土地所有状況、農業・非農業活動の詳細)を各村25家計づつ、計1875家計分収集し、現在はデータクリーニングを行っている。機械化を伴うSRIのデモンストレーションはランダムに選ばれた25カ村で実施し、技術の詳細を説明したビデオを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に現地調査が全くできなかったため、当初よりは研究の開始が遅れたが、現地のカウンターパートの協力のもと、キャッチアップを図っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、25カ村に対して本格的な機械化SRIのトレーニング、25カ村に対し通常のSRIのトレーニングを実施し、トレーニング後には、SRIに関する知識の変化や、稲作収量の変化を追跡するための家計調査を実施する。
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