2021 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の家族・仕事・地域・経済と健康のダイナミクス:コホート・年齢差の研究
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20H00091
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
小林 江里香 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (10311408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 洋史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (00565137)
山田 篤裕 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (10348857)
菅原 育子 西武文理大学, サービス経営学部, 准教授 (10509821)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者就労 / 地域参加 / 家族 / 健康 / 幸福感 / 時代的変化 / 全国調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画2年目の2021年度は、10月から12月にかけて、全国の60歳以上を対象としたパネル調査の第10回調査を実施した。2012年の第8回調査から追跡を継続する対象者(69歳以上)と新規対象者(60-92歳)には、面接法と留置法を併用した訪問調査を実施した。依頼状を送付した対象者数は、第8回から追跡する対象者については、事前に死亡・施設入所や調査継続拒否が確認された人を除く934人、新規対象者は住民基本台帳を用いて全国から層化二段無作為抽出した2,700人である。調査員が対象者の自宅を訪問し、対象者本人への面接調査(重い病気等の場合は家族等への代行調査)を行い、対象者本人が面接に回答した場合はさらに留置調査も依頼した。面接調査の回答者数(代行を含む)は、第8回からの対象者が706人(77%:訪問時に死亡・施設入所が判明した人を除く回収率)、新規対象者は1,227人(同46%)、留置調査の回答者はそれぞれ638人、1,016人であった。 他方、1987年~1999年(第1回~第5回)より追跡する継続対象者(85歳以上)730人および第8回調査からの対象者8人(施設入所判明者など)の計738人については、予算上の制約から家族等による代理記入を認める調査票を郵送し、健康状態、入院・入所状況などの把握のみを行った。調査票回収または家族等からの連絡により6割強の対象者の現状(死亡を含む)を確認できた。 第10回調査の準備・実施と並行して第1回~第9回調査(1987年~2017年)の既存データの分析を行い、独居と抑うつ傾向との関連が、性別、居住地域の都市度、調査時期により異なるかや、私的介護・介護サービス利用の約20年間の推移などについての論文化を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行が続いていたが、第10回調査は、新規感染者数が比較的落ち着いていた時期に無事終了することができた。一方、新たに無作為抽出して訪問調査を依頼した新規対象者については、回収率が想定以上に低かったため、回答者の偏りの問題など、データの質についてより慎重な検討が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は4月~6月にかけて、東京都健康長寿医療センター研究所にて第10回調査のデータクリーニングを行い、過去9回のデータと統合して縦断データを構築する。7月以降は、研究代表者・分担者、および研究協力者がデータを共有し、専門分野に応じてデータ解析や報告書・論文執筆を進める。また、新規対象者の地域・属性別の回収状況や、本縦断研究で初めて導入した留置調査における回答状況など、第10回調査のデータの質についての検討も行う。さらに、第10回調査は感染症流行下での実施となったため、以前から追跡する対象者については変化の状況、新規対象者については過去の調査での新規対象者との比較などを通して、感染症流行が高齢者の生活・行動や健康・well-beingに与えた影響についても考察する。 年度内に第10回調査の結果の概要をまとめた冊子を作成し、調査協力者に送付するとともに、調査のホームページ上でも公開する。
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