2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Study on the Alignment of School Mathematics Curriculum in a Transition Period
Project/Area Number |
20H00092
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 美憲 筑波大学, 人間系, 教授 (90226259)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 辰彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00550740)
宮崎 樹夫 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (10261760)
川添 充 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10295735)
齊藤 一弥 島根県立大学, 人間文化学部, 教授 (10837595)
笠井 健一 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (20466600)
市川 啓 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 准教授 (20624745)
西村 圭一 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (30549358)
蒔苗 直道 筑波大学, 人間系, 准教授 (40345939)
影山 和也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60432283)
水谷 尚人 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (80454643)
清水 宏幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80562446)
岩田 耕司 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90437541)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 学校数学 / カリキュラム / アラインメント / 学習指導要領 / 教科書 / 数学的活動 / 数学的な見方・考え方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学習指導要領の改訂に伴う学校数学カリキュラムの移行期において、「意図されたカリキュラム」・「実施されたカリキュラム」・「達成されたカリキュラム」の三層が、互いに整合的に連携して機能しているか、三つのアラインメントの実相を解明することである。この目的の達成のために、本研究では、我が国の学校数学の目標と内容の特徴を国際比較によって相対化して捉え(「意図」のレベル)、新しい教科書の編集と教室での授業実践の実態を分析し(「実施」のレベル)、学力調査における出題と学習評価の特徴を明らかにし(「達成」のレベル)、これら三つのアラインメントを分析する。 研究の第1年次,第2年次には、学校数学カリキュラムにおけるアラインメントの分析のための理論的研究によって研究の枠組みを構築するとともに、教科書の分析を中心に、具体的な分析作業の試行を行った。また、「実施されたカリキュラム」の試行的分析のために、仙台地区、広島地区において、「実施されたカリキュラム」のエージェントとしての教師の解釈に焦点化して検討することによって学校現場でのアラインメントの実際を探索的に調査した。 その結果、「意図されたカリキュラム」と「実施されたカリキュラム」のアラインメントについては、この二層の中間に位置する教科書について、その内容を「意図されたカリキュラム」の中核をなす学習指導要領やその解説に依拠しながら解釈して教室での実践を行う教師の役割の重要性が明らかになった。また、教科書の編成自体が、学習指導要領で意図されたものを全て紙面化できるわけでなく、小中高の学校段階によってもばらつきが見られることが明らかになった。これらの成果の一部は、日本教科教育学会第48回全国大会で発表するとともに,日本数学教育学会第11回春期研究大会(2023年6月)における課題研究として論文を投稿し,受理された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による学校教育への影響に伴う実証的研究の遅れが心配されたが、学校現場での アラインメントの実態解明に関する試行的な調査が実施できた。また、改訂学習指導要領に基づく新教科書の分析は、小中高の各学校段階で着実に遂行できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
カリキュラムの三層のアラインメントについて、「達成されたカリキュラム」に焦点を当てながら、最終年度には三者の関係の整理を行う予定である。また、研究成果の公開と検証のために、「科研費フォーラム」(仮称)を、関東地区と関西地区で開催し、学校関係者や研究者に対する情報発信を行ってフィードバックを得ることとする。また、2022年度に新規に解説したウェブサイトの充実を図る。さらに、最終年度も含む全体の研究成果については、2024年7月にシドニーで開催される第15回数学教育世界会議において発表する。
|
Research Products
(10 results)