2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H00112
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金銅 誠之 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 伊知朗 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10235616)
尾高 悠志 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30700356)
松本 雄也 東京理科大学, 理工学部数学科, 助教 (50773628)
馬 昭平 東京工業大学, 理学院, 准教授 (80633255)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | K3曲面 / Enriques曲面 / モジュライ空間 / モジュラー形式 / コンパクト化 / 格子 / 自己同型群 / 特異点 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者の金銅は、有限自己同型群を持つCoble曲面の分類問題で残されていた標数2の場合を、桂利行氏との共同研究で完成させた。また19世紀にF. Klein が発見したクンマー曲面と直線幾何に関する結果の標数2への一般化に取り組み、アーベル曲面が一般の場合に類似の結果を得た。さらにDolgachev氏と執筆中のEnriques曲面に関する著書をほぼ完成させた。分担者の島田は、Quebbemann の構成を一般化して階数64のextremal格子を多数構成した。また4次曲線およびその bitangents と 4-tangent conics からなる Zariski multiplesを調べ、論文にまとめた。分担者の馬はリー群が随伴型の状況で一般にトロイダルコンパクト化が境界分岐因子を持たないことを証明した。 スカラー値の直交型モジュラー形式からモジュラー多様体上の正則テンソルを構成する方法を考案し、モジュラー多様体の部分多様体の双有理型に応用した。分担者の尾高は主にK3曲面や広義Calabi-Yau多様体のモジュライ空間のコンパクト化問題について,さまざまな面で進展を得た。特に、Alexeev-Engel氏の主定理の別証明を与え、トロイダルコンパクト化・準トーリックコンパクト化の双有理的特徴づけを与えた。分担者の松本は、Enriques曲面の標準被覆を研究した。標数2ではこの標準的2重被覆が特異点をもつK3曲面になることがある。この現象をK3曲面の方から分析した論文を投稿し受理された。また正標数の商特異点や有理二重点における,非分離性を中心とした,正標数特有の現象に関する共同研究を行い,論文の完成を目指している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者、分担者全員がそれぞれ複数の高い水準の研究成果を挙げており、この意味では計画は順調に進んでいる。一方で、新型コロナウイルスのため、出張がほとんど出来ず、特に国際的な研究交流ができないことで、新たな問題や視点を得ることに苦労している。そのために自己評価は「おおむね順調に進展している」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は海外出張も可能な方向で進んでいるので、積極的に国際交流を考えている。9月にドイツで開催予定のHulek氏70歳記念研究集会への参加や、11月には名古屋大学で国際研究集会「Rationality, moduli sapces and related topics」を開催予定である。また分担者との研究連絡も密に行う予定である。
|
Research Products
(23 results)