2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H00114
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 耕二 京都大学, 理学研究科, 教授 (60229078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 登高 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60323466)
塩谷 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (90235507)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 双曲群 / 増大度 / 相対双曲群 / ファレル・ジョーンズ予想 |
Outline of Annual Research Achievements |
有限生成群の増大度は古くから研究されている重要な研究課題である。リーマン多様体の基本群の増大度は、その曲率と深い関係があり、負曲率多様体においては基本群は指数増大度を持つことがミルナーによって示されている。双曲群については、指数増大度を持つことが知られている。 有限生成群Gについて、そのすべての有限生成元集合Sに関する増大度のなす集合を、Gの増大度集合とよび、X(G)と表す。本課題では、X(G)についての基本的な理論を構築することを1つの大きな研究目標とする。これは、幾何学的群論の研究において新たな視点を提供する重要な研究であると位置づけられる。 代表者はSelaとの共同研究において、Gが非初等的な双曲群であるとき、X(G)が整列集合であることを示した。証明には、Limit groupの理論を援用した。この研究は重要な研究成果として国際的に評価されている。この研究について、いくつかの国際研究集会で講演した。 また、この研究をより広い範囲の群に拡張することを目指している。本年度は、相対双曲群や3次元多様体の基本群について、X(G)の整列性を示し、それを論文としてまとめプレプリントとして発表している。また、いくつかの国際研究集会において発表した。 ファレル・ジョーンズ予想はトポロジー・離散群における重要の未解決予想の一つである。これの重要なケースについて、Bestvinaらとの共同研究において、予想を肯定的に解決した。その論文は専門誌に出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有限生成群の増大度全体がなす集合の整列性について、いくつかの重要なケースで顕著な結果を得たので。また、いくつかの国際研究集会で招待講演をしたので。
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Strategy for Future Research Activity |
有限生成群の増大度集合の整列性の研究を発展させる。特に、個別の群でなく、ある性質を満たす群の族について、増大度集合の整列性の研究を行う。
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Research Products
(15 results)