2023 Fiscal Year Annual Research Report
Geometric analysis on complex manifolds
Project/Area Number |
20H00116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平地 健吾 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (60218790)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多変数関数論 / アインシュタイン計量 / CR多様体 / ケーラー多様体 / ベルグマン核 |
Outline of Annual Research Achievements |
多変数関数論葉山シンポジウム,函数論サマーセミナー,函数論シンポジウム,多変数函数論冬セミナーを対面で開催した.東京大学での複素解析幾何セミナーをほぼ毎週開催した.平地健吾はCR構造の変形複体の解析を行い,球面の標準的なCR構造の変形のモジュライ空間を構成した.高山茂晴は複素多様体間のファイバー空間 f:X-->Yに対し, 種々の随伴束の順像層の正値性に関する研究を行った.辻 元はコンパクト・ケーラー多様体のケーラー族の各ファイバーの上のケーラー・リッチ流とそのファイバーを除いた空間の上のケーラー・リッチ流の関係を研究した.吉川謙一は川口周氏との共同でEisenstein K3曲面の解析的捩率不変量から得られる複素超球上の保型形式が,多くの場合に鏡映的保型形式であることを示し,幾つかの場合にBorcherds積で書けることを示した.またX. Dai氏との共同でコンパクトリーマン面の1変数退化族に対して,全空間からの誘導計量をファイバーに入れるとき,特異ファイバーが被約という仮定の下で0に収束する固有値のスピードを決定した.山ノ井克俊はY. Deng氏との共同研究で,準射影代数多様体の基本群の半単純線形表現に関するシャファレビッチ写像を構成した.本多 宣博はコンパクトなミニツイスター空間から定まるEinstein-Weyl空間の微分幾何的な性質,特にZoll性について考察した.神本 丈は有理型関数に関する局所ゼータ関数の解析接続に関する問題に関して,ニュートン多面体の幾何学的な情報を用いて定量的な結果を得ることができた.さらに,相関数が有理型関数の場合の振動積分の挙動に関しても,類似する結果を得ることができた.松村慎一はネフ反標準束に対する一般化された非消滅予想を3次元の場合に完全に解決した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
若手研究者による研究集会の運営が順調に行われている.葉山シンポジウムに招聘した海外の研究者との共同研究も盛んに行われ,多変数函数論の分野の重要な国際会議として広く知られている.また2022年度の葉山シンポジウムの講演者による論文集The Bergman Kernel and Related TopicsがSpringer Proceedings in Mathematics & Statisticsより出版されたことは講演の質の高さを示すものである.
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Strategy for Future Research Activity |
多変数関数論葉山シンポジウムに加え,日本数学会の函数論分科会と連携して,函数論サマーセミナー,函数論シンポジウム,多変数函数論冬セミナーを開催する.特にサマーセミナーと冬セミナーは若手研究者が世話人を経験する大切な行事である.東京大学ではハイブリッド形式で複素解析幾何セミナーを定期的に開催し,研究グループ全体で進捗状況を共有する.
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Research Products
(29 results)