2023 Fiscal Year Annual Research Report
Spin-triplet superconductivity on Uranium-based compounds
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20H00130
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 憲二 京都大学, 理学研究科, 教授 (90243196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 陽 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, リーダー (00354902)
青木 大 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30359541)
北川 俊作 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50722211)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スピン三重項超伝導 / ウラン化合物超伝導 / 核磁気共鳴 / スピン磁化率 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年に超伝導が発見されたUTe2(ウラン・テルル2)は、発見当初超伝導転移温度は~ 1.6 Kであったが、近年ウラン欠損を含まない純良単結晶の育成に成功し転移温度は2.1Kまで上昇した。我々は発見当初の1.6K試料を用いて、高磁場での磁場増強超伝導相や圧力印加で見られる超伝導多重相の振舞いをTe-NMR測定から調べ、高磁場と高圧で見られる超伝導状態は同じようなスピン状態を持つことを明らかにした。今年度は、上記の純良単結晶を用いて、高磁場、高圧の超伝導多重相の振舞いを調べた。その結果、高磁場、高圧下における超伝導多重相図は酷似しており、少なくともスピン状態の異なる2種類以上の超伝導状態で構成されていることを明らかにした。異なるスピン状態を持つ超伝導が実現していることは、超伝導にスピンの自由度が残っていることを示唆しており、スピン自由度を持たない従来のスピン一重項超伝導とは性質が異なることを指摘した。これらの結果を報告した論文はScience Advances誌に掲載された。さらにこの純良単結晶を用い超伝導ギャップ構造を調べるため50mKの低温まで核スピン-格子緩和率(1/T1)の測定を行った。ナイトシフトの結果からfull-Gapの振舞いが期待されたが、測定結果は1/T1が温度の冪乗に比例するノードの存在を示唆する結果であった。300mK以下には非自明な緩和が見られ、この緩和は磁場を印加すると抑制されることがわかった。緩和の振舞いや磁場依存性から、単純な不純物に由来する緩和とは考えにくい。スピン自由度を持つスピン三重項超伝導特有の現象である可能性もあり、緩和の異方性や1/T2の測定など更なる研究が必要である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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