2021 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of ultraprecise single-ion implantation using laser-cooling for formation of NV-center arrays
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20H00145
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
斎藤 勇一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 部長 (40360424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 宏己 広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 教授 (40211809)
伊藤 清一 広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 助教 (70335719)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イオントラップ / レーザー冷却 / 単一イオン引出し / NVセンター多量子ビット |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年度にビーム軌道計算により設計した加速レンズ及びビーム径計測システムの作製、イオン冷却用レーザーシステム設計・製作等実験装置の開発、並びに単一N_2^+を引き出す際のエミッタンスの最小化についてシミュレーションによる検討を行った。 実験装置に関しては、試験的にCa^+のドップラーレーザー冷却を行い、クーロン結晶化することを確認した。この時N_2^+と推定される発光を伴わないイオンも観測され、Ca^+以外のイオンが共同冷却されていることを確認した。 エミッタンスの最小化については、共同研究先の広島大学で開発したリニアポールトラップの電極構造を基に3個のCa^+と1個のN_2^+による多粒子運動を数値シミュレーションにより解析した。その結果、N_2^+が引出し位置に最も近い(引出し方向に対して先頭)場合に最小のエミッタンスが得られ、これは加速レンズから要求されるエミッタンスを満たしていた。この時、軸方向の閉じ込めを行う端板電極に数十ナノ秒オーダーでパルス電圧を印加することにより、後方のCa^+を取り除くことが可能であることを見出した。一方、Ca^+がN_2^+の前方に存在する場合は、先行するCa^+とN_2^+が衝突して加熱し、エミッタンスは2桁増加することがわかった。後者に対して、引き出し後にマスフィルターの追加により、Ca^+を取り除く検討を行ったが、N_2^+のエミッタンスが増大することがわかった。したがって、N_2^+を引出し方向に対して先頭になる状態を形成する必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の計画では、(1)共同冷却実験の開始、(2)加速レンズの設計・製作を完了し、加速レンズの性能試験の実施となっていたが、加速レンズ用の精密電源の納入が新型コロナウィルス感染拡大の影響で年度末となり、性能試験が2022年度に延期されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に計画していた加速レンズの性能試験を実施し、2022年度の計画に沿って、引き続き共同冷却実験を実施し、ビーム加速実験及び実証機の製作に着手する。
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Research Products
(2 results)