2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of electron-neutrino detection technology using neutrinos from mu+ decay at rest and its application
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20H00146
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末包 文彦 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 教授 (10196678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 健夫 北里大学, 理学部, 教授 (00323999)
今野 智之 北里大学, 理学部, 助教 (60751518)
菅谷 頼仁 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (80324747)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ニュートリノ原子核反応 / 静止崩壊ニュートリノ / 電子ニュートリノ検出 / 超新星爆発ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)J-PARC MLF実験場でのバックグラウンド測定については,2021年 6月22日から7月19日にかけて測定を行った.この測定では,CsIシンチレーターや3Heカウンター及び本番の約1/10スケールのプラスチックシンチレーター検出器をMLFのBL07ビームラインに設置し,さまざまは場所や条件でビーム起源のバックグラウンドの直接測定を行った.その結果,バックグラウンド量をビームパルスのタイミングからの時間の関数として測定することができた. 特に,ビームのタイミングより,100μs後にもかなりの速中性子バックグラウンドが残っていることが判明し,ニュートリノ検出で重要な遅延信号に対する中性子起源のバックグラウンドが予想より大きいという問題が判明した.そのため,ニュートリノ検出には,特に速中性子に対するシールドが重要であることが分かり,このバックグラウンドに対処するため,高密度ポリエチレン,ボロンシートなどを組み合わせた中性子シールドの検討を行い,実際のバックグラウンド環境下でのシールドの効果を測定する実験計画を立て,J-PARC MLFで緊急課題により,シールド効果測定の申請を行った. この申請は認められ,2022年6月にシールド効果の測定を行った. (2)検出器の製作及び,(3)コミッショニングデータ取得の準備については, 2022年6月に行ったシールド効果の測定結果を元に,ニュートリノ検出器のシールド構造を新たに設計し,必要な物品を購入し,ニュートリノ検出器の製作を行なっている.このニュートリノ検出器の一部を用いて,2023年5月から,MLFで実際にデータを収集する予定である. 以上の結果及び経緯は,東北大の学生の野口,蓮子,北里大学の星野の修士論文として公表されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の広がりによる影響で,他大学との共同作業が不可能になり,又,学生の自宅待機などのため、2011年6~7月のバックグラウンド測定で収集したデータの解析や実験装置装置の開発などの能率が落ちたため検出器構造決定や部品発注時期が遅れた。また物不足の影響で、一部装置の調達が次年度になるなどしたため,本年度執行予定の予算の一部を2022年度まで繰り越した. また,バックグラウンドの測定で速中性子のバックグラウンドが予想より多いことが判明し,その対処に時間がかかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2021,22年に行った,実際のビーム環境下でのバックグラウンド及びシールド効果の測定により,バックグラウンドの特徴について理解し,その知見を元に,検出器のシールドの設計を行い,検出器の製作と調整を行なっている.この検出器を用い,2023年春のMLFのビームタイムを利用したテスト実験をMLFの緊急課題として申請し,採択されている. 今後は,この検出器の製作と調整を完成し,MLFのビームラインに設置し,2023年5~6月のビームを利用し,実際の測定装置及び実験環境でバックグラウンドを測定し,シールド構造の最適化を行い,静止崩壊電子ニュートリノの検出を試みる. 7月以降は,このテスト実験のデータ解析を行い,検出器の改良を行う. また宇宙線を利用し,検出器のさまざまな較正を行い,その結果をシミュレーターに入れ,ニュートリノの検出効率を計算する.これらの情報を用いて検出器の改良を行い,2024年のビームタイムを利用し,静止崩壊電子ニュートリノの検出を試み,ニュートリノと鉛との反応断面積を出す予定である.
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Research Products
(8 results)