2021 Fiscal Year Annual Research Report
Computing electromagnetic and gravitational-wave signals from neutron star mergers
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20H00158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 大 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80252576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久徳 浩太郎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30757125)
関口 雄一郎 東邦大学, 理学部, 准教授 (50531779)
仏坂 健太 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50867033)
川口 恭平 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60822210)
田中 雅臣 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70586429)
井岡 邦仁 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80402759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中性子星連星 / 元素合成 / キロノバ / 電磁波対応天体 / 数値相対論 / ガンマ線バースト |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の研究を進め、研究成果を論文としてまとめた。1: ブラックホールと中性子星の連星の合体に関する輻射磁気流体シミュレーションをかつてないほど長時間にわたって(2秒にわたって)実行した。その結果、これまで断片的にしか予想されなかった事実が首尾一貫して示された。具体的には、(i)合体時に中性子星が潮汐破壊されることによって、中性子過剰度が非常に高い物質が放出されること、(ii)引き続きブラックホール周りに降着円盤が誕生するが、磁気流体不安定性に起因した乱流が発生すること、(iii)降着円盤は初期には高温だがやがて温度が下がると乱流加熱により物質が放出されること、(iv)降着円盤から放出された物質の中性子過剰度は緩やかに高いこと、(v)降着円盤において時期乱流が発達するとともに、ブラックホールを貫く対極的な磁場が形成されるが、そこから高光度のポインティングフラックスが放射されること、などが示された。この論文は11月にPhysical Review Dに投稿された。2: 比較的質量の小さい連星中性子星が合体した後には、大質量星の中性子星とトーラスからなる系が残されるが、それに対して輻射磁気流体計算を行い、質量放出過程について調べた。その結果、仮に中性子星の中でダイナモが効率よく働き大局的磁場が形成されると質量放出効率や放出物質の運動エネルギーが上がることが示された。特に極端なモデルでトータルで10^52ergにも及ぶ運動エネルギーを持つ物質が放出されることが判明し、X線や電波で特徴的な信号が現れうることが予言された。これらに関する一連の論文の一部はPhysical Review D に発表済みである。また電磁波対応天体に関する論文は、Astrophysical Journalに投稿中である。他にもいくつかの研究を進めたが、紙面の制限により割愛する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績報告に記載した通り、世界的に見ても最先端の研究を予定通り順調に進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年の同様に、世界最先端のシミュレーションを実行し、中性子連星の合体などに対する知見を深めると同時に、放射される電磁波信号を予言し、近い将来の観測に備える。
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