2022 Fiscal Year Annual Research Report
Computing electromagnetic and gravitational-wave signals from neutron star mergers
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20H00158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 大 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80252576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久徳 浩太郎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30757125)
関口 雄一郎 東邦大学, 理学部, 准教授 (50531779)
仏坂 健太 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50867033)
川口 恭平 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60822210)
田中 雅臣 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70586429)
井岡 邦仁 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80402759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中性子星 / ブラックホール / 中性子星の合体 / キロノバ / 元素合成 / ガンマ線バースト / 数値相対論 / 超新星爆発 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の複数の研究を進め、研究成果を論文としてまとめた。1: 前年度に引き続きブラックホールと中性子星の連星の合体に関する輻射磁気流体シミュレーションを長時間にわたって(2--5秒にわたって)実行した。この論文は11月にPhysical Review Dに投稿され、4月27日現在査読中である。2: 連星中性子星が合体し、その後数十msほどでブラックホールと降着円盤の系に進化する場合に対して、1秒間にわたる数値相対論的磁気流体シミュレーションを世界で初めて実行し、結果をまとめてPhysical Review Lettersに投稿した。結果は上記のブラックホール・中性子星連星の場合によく似ているが、異なる点として、光速の95%にも及ぶ超高速度の物質が放出されることが確認された。3: 連星中性子星が合体し、ブラックホールと降着円盤ができた後の系に対して数秒間にわたる輻射磁気流体シミュレーションを行い、特に放出物質から生成される重元素について詳しく調べた。その結果、ブラックホールが合体後に数十秒以内に誕生する場合には、連星の質量によらず元素合成パターンが太陽組成に似たものになることを確認した。結果はすでにAstrophysical Journalに掲載されている。4:回転する大質量星がブラックホールと降着円盤を形成させる場合に対して、輻射粘性流体計算を実行した。降着円盤での粘性加熱の結果、星全体が超新星のように爆発することが初めて示された。爆発エネルギーは典型的な超新星エネルギーを超えうるので、高エネルギー超新星爆発の機構として有望なことがわかった。結果は、Astrophysical Journalに投稿中である。他にも、キロノバのモデル構築、超大質量星による白色矮星の潮汐破壊、数値コード開発、修正重力理論における数値相対論など様々な研究を進めたが、文字数の制限により詳細は割愛する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究である数値相対論計算、電磁波対応天体に対する輻射輸送計算、数値相対論コードの開発、および独自のクラスターの構築が予定通り進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
過去3年間と同様に、数値相対論による中性子星連星と大質量星の重力崩壊計算、電磁波対応天体に対する輻射輸送計算、数値相対論コード開発を行う。今年度は5月からLIGO/Virgoが重力波観測を再開するので、中性子星連星の合体が複数観測されると期待できる。特に電磁波対応天体が観測された場合には、これまでに構築してきたコードと体制を利用して、観測結果の解釈に従事する。
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