2021 Fiscal Year Annual Research Report
集積化マイクロデバイスを用いたナノすきま潤滑の素過程の解明
Project/Area Number |
20H00214
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福澤 健二 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60324448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸太郎 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50377826)
東 直輝 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50823283)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ナノトライボロジー / マイクロ流体デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,マイクロマシン技術を用いて摺動部・アクチュエータを集積化した平行平面摺動系を構築する.これを用いて,ナノすきまでの流体潤滑の素過程解明のための基盤的知見を得る.これまで研究を進めてきた集積化潤滑計測デバイスの構築とエリプソメトリー顕微鏡によるすきま計測法の確立を試みた.それぞれの研究項目を以下のように進めた. ・マイクロマシン技術を用いた集積化潤滑計測デバイスの構築:ナノすきまとなるマイクロ流路としゅう動面段差については,昨年度の結果から,より加工の容易なシリコン基板のエッチングを試み,段差形成を達成した.この作製法を基本として,集積化潤滑計測デバイスを設計した.また,陽極接合法を用いたガラス板とシリコン基板の接合を試み,接着剤などを用いずに,ガラス板とシリコン基板の直接接合を達成した.これによりナノ深さ流路の形成が可能となる.さらに,当初計画した流路封止用のガラス板は不要であることを見出した.そして,アクチュエータの動作にも成功し,作製法の確立と原理確認を達成した. ・エリプソメトリー顕微鏡によるナノ摺動すきま計測:試料に光を照射し,反射光の偏光状態の変化からすきまを得るエリプソメトリーに基づいたエリプソメトリー顕微鏡で,集積化潤滑計測デバイスの摺動面のナノすきま計測を試みた.すきま分布を輝度に変換し明暗像として得ることで,すきま分布をリアルタイムに得る.レンズの後側焦点面上の光軸からずれた点に照明光を集光し,試料面を斜めかつ平行に照明するという光学系により,ナノすきまの可視化の原理確認を達成した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の以下の主要な項目について,当初のねらいをおおむね達成できた. ・マイクロマシン技術を用いた集積化潤滑計測デバイスの構築 作製法の確立と原理確認を達成した. ・エリプソメトリー顕微鏡によるナノ摺動すきま計測 ナノ摺動すきま計測の原理確認を達成した.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで研究を進めてきた集積化潤滑計測デバイスの構築とエリプソメトリー顕微鏡によるすきま計測法の確立を図り,さらにナノすきま潤滑の素過程の解明に適用する.それぞれの研究項目を以下のように進める. ・マイクロマシン技術を用いた集積化潤滑計測デバイスの構築:昨年度までに作製法の確立と原理確認を達成した.さらに試料の注入法などの改良を進める. ・エリプソメトリー顕微鏡によるナノ摺動すきま計測:昨年度までにナノ摺動すきま計測の原理確認を達成した.光学系を改良し,ナノ摺動すきまの可視化を試みる. ・ナノ摺動すきまの流れ計測:蛍光分子を用いた流れ場計測について原理確認を試みる. ・ナノすきま潤滑の素過程の解明:集積化潤滑計測デバイスをナノすきま潤滑の素過程の解明に適用する.
|