2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H00228
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小俣 透 東京工業大学, 工学院, 教授 (10262312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門之園 哲哉 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10510282)
神永 真帆 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (20879986)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 知能機械 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はファージディスプレイ法などの適用を念頭に,細胞毎に探査できるシステムの基本を開発するとともに,低酸素低栄養状態のがん細胞の特性や正常細胞との相互作用を調べることができる細胞培養システムの開発に取り組んだ. 細胞毎に探査できるシステムとは,送液管から試薬を目標の細胞に送液し,周囲の細胞に広がらないように吸引管から回収し,細胞毎にその状態を探査するシステムである.細胞の大きさと同程度の先端径10μm程度に引き延ばしたシータ管ガラスキャピラリを用いて送液管と吸引管からなるプローブを作製した.これをマイクロマニピュレータに取り付け,共焦点顕微鏡で観察できるシステムを構築した.送液と吸引の閉じた流れが生成できることを蛍光ナノ粒子を流し共焦点顕微鏡により確認した.また,閉じた流れを生成するためには,シータ管よりも同心2重管にすることが望ましい.そこで,同心2重管を作製する方法を考案した. 低酸素低栄養状態のがん細胞については,がん細胞を3次元培養すると100μm以上の内部には培養液が届かず, 低酸素低養状態になることが知られている.しかし,内部に存在するため,そのような状態のがん細胞を観察することができず利用することもできない.そこで,内部からアルギン酸ファイバーを用いて培養液を供給し,外側に低酸素低栄養領域を形成する細胞培養装置を開発した.このデバイスによりがん細胞を培養し,低栄養状態が得られていることが示唆された.低酸素状態の達成にはデバイス全体を低酸素雰囲気にする必要があり,これについては今後の課題とする.また,低栄養状態のがん細胞に送液と吸引ができるよう,2重管構造のガラスピペットによる流路を作製した. この他,3次元培養の一種であるがん細胞スフェロイドの特性を調べる装置,低酸素状態のがん細胞を蛍光発光させることに取り組んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的な実験システムを立ち上げることができたので,その点ではおおむね順調に進展している.しかし,コロナ禍で実験室での3密回避や分担者との交流の制限が求められたため,実験の一部が予定通りに進んでいない.これについては計画を見直して対応する.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な実験システムを立ち上げることができたので,今後はそれを発展させる.コロナ禍で実験室での3密回避や分担者との交流の制限が求められたため,実験の一部が予定通りに進んでいないが,これについては計画を見直し全体への影響を少なくする.
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Research Products
(2 results)