2020 Fiscal Year Annual Research Report
光の極限性能を生かすAIフォトニクス高次機能の創成
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20H00233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成瀬 誠 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20323529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 和治 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70538165)
志賀 信泰 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所時空標準研究室, 主任研究員 (50536050)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 意思決定 / 光コンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
情報技術の根底を支えてきたムーアの法則の終焉が認識され、持続可能なコンピューティングパワーと新機能の実現に向け、光を含めた物理過程の積極利用の重要性が高まっている。本研究は、研究代表者らが世界に先駆けて実現してきたナノ光学や光カオスを用いた意思決定等の光情報処理に関する実績を基盤として、今後の人工知能(AI)の時代に必須の高次情報処理を、光の極限性能を生かして実現する革新的AIフォトニクスを目指す。研究初年度である本年度は、研究全体の基礎となる要素の構築に注力するとともに、高次情報処理として想定できる可能性の探索に着手した。具体的には、光カオスの物理モデルであるLang Kobayashi方程式の数値解を用いた人工データ生成の分析、近接場光によって計測した微小領域での光学的相関を用いて生成した多項式を用いた順序認識の原理構築、精密時刻同期と合成したネットワークの基本原理の構築などを行った。なお、近接場光を用いた順序認識においては、一様な疑似乱数との違いを転倒数や特異性などの指標に基づいて定量的に分し、順序認識性能との関わりについて一定の知見を得ることができた。なお、高次情報処理の一つとして位置づけることができる意思決定の光機能化については、もつれ光子を用いた協調的意思決定に関する研究に大きな発展があった。特に、もつれ光子と相関光子を適当な頻度で組み合わせる量子・古典の混合戦略を新たに提案し、報酬環境の状況によっては全体の報酬を飛躍的に高めることが出来ることを実証した。本成果はScientific Reports誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究初年度ながら、複数の原著論文が掲載されるなど結果に結びついており、併行して新たな知見が得られ始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、研究代表者らによる光機能システム研究の充実した実績に基づきながら、光機能の高次化を明確な方向性として発展させる。その際、システムレベルの独創性や先駆性を引き続き重視し、新しい可能性へのチャレンジを継続する。
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Research Products
(15 results)