2021 Fiscal Year Annual Research Report
Innovative large-scale synthesis technology of pure nanoparticles by spatio-temporally controlled field in tandem-type of induction thermal plasma
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20H00239
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (90303263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 達夫 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (00324450)
瀬戸 章文 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (40344155)
中野 裕介 金沢大学, 電子情報通信学系, 助教 (60840668)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱プラズマ / ナノ粒子 / 量産化 / ナノワイヤ / 2次元分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しく導入した「新型RF電源によるタンデム型変調誘導熱プラズマMITP」の維持と原料間歇導入時の安定維持範囲(上段・下段コイル電流変調に対する依存性)の調査・調整を行った。新規に導入したRFシステムにより変調型プラズマ点火実験,整合調整のほか,PLL制御調整を行い,高効率で熱プラズマに電力が投入されるように調整した。さらに新規導入タンデム型変調誘導熱プラズマへの原料粉体を同期間歇投入する実験を試みた。タンデム型の上段コイル電流振幅は一定とした状態で,下段コイル電流のみを大きく変調させてプラズマへのピーク入力電力40kW程度にて,Ar+O2, Ar+H2プラズマが安定維持できるコイル電流振幅変調幅,Duty比,変調波形と,投入できる原料量を検討した。 さらに新規導入タンデム型誘導熱プラズマに対する発光スペクトル観測を試みた。それにより新規導入したタンデム型変調熱プラズマに対して,励起原子,前駆体分子挙動把握の予備実験を行った。まず原料を変調同期投入の状態における熱プラズマに対し一次元分光器により可視光スペクトル強度の時間変化を測定することで,原料蒸気励起原子, 生成される分子挙動を把握した。続いて,原料大量蒸発・超効率核生成による酸化物ナノ粒子,Siナノ粒子の大量生成実験を行った。タンデム型熱プラズマに原料を5-10 g/min以上で大量投入し,酸化物ナノ粒子生成を行った。生成粒子は,SEM, BET,分光光度計などにより粒径分布などを分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに,導入した新型RF電源によりタンデム型熱プラズマの維持実験ができ,さらにこれに原料を間歇導入する実験も行えた。この実験によりタンデム型熱プラズマの安定維持範囲の調査ができ,その範囲を把握できた。この実験においては,7-8月に短絡することでMOSFETが故障したが,それに対してもMOSFETを新しく取り換えて復帰ができた。この新規に導入したRFシステムにより整合調整,PLL制御調整なども計画通りに行い,高効率でプラズマに電力が投入されるように調整できた。さらに新規導入タンデム型変調誘導熱プラズマへの原料粉体を同期間歇投入する実験も計画通りに行った。これにより,安定維持できるコイル電流振幅変調幅,Duty比,変調波形と,投入できる原料量を検討できた。さらに新規導入タンデム型誘導熱プラズマに対するスペクトル観測の簡易的な一次元分光器による可視光スペクトル強度測定も行えた。また,原料大量蒸発・超効率核生成による酸化物ナノ粒子,Siナノ粒子の大量生成実験を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
熱プラズマに原料粉末を投入すると原料が蒸発し,TiO2ナノ粒子生成の場合,酸素と結合してTiO2の前駆体TiOを気相で生じ,Siナノ粒子生成の場合,前駆体SiHが生じる。これらを高感度2次元ICCD+イメージング分光器を用いて分光観測する。これにより特定波長の2次元分光画像観測をトーチ部および各チャンバ位置に対して行い,TiO,SiHの生成タイミング・生成場所とその輸送現象を把握する。さらに,新型タンデムMITPでは原料の変調投入のほか,クエンチングガス投入も変調し,時空間的な制御を行う。従来法ではプラズマトーチ下流に冷ガスを定常的に導入し蒸気急冷してナノ粒子生成するが,今回はこれをプラズマの変調に同期して間歇導入する。この手法により,下流部での温度勾配がさらに大きくなり高急冷効果でナノ粒子生成が促進される可能性がある。またガス間歇導入により急冷効果を制御できる。ここでは①変調条件,②ガス流量,③ガス導入タイミングを様々に変化させて,ナノ粒子・ナノワイヤ生成を行う。次に,変調プラズマに原料を同期して間歇導入することで,酸化物ナノ粒子,Siナノ粒子/ワイヤの大量生成1kg/h@20kWを実現させる。加えて,均一核生成モデルの検討とモーメント法によるナノ粒子生成の数値解析を行う。ナノ粒子は原子が均一核生成され,凝縮・凝集を通じてナノ粒子が形成していく。申請者もこの均一核生成+不均一凝縮過程をモーメント法に基づくモデリングに現在着手している。このモデルを定常熱プラズマの単純なSiナノ粒子生成に適用させ,次に特に変調した外部温度場・変調したクエンチングガス導入時の均一核生成への影響を検討する。
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Research Products
(11 results)