2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive utilization of innovative virus indicators for microbial water safety
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20H00259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片山 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00302779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原本 英司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00401141)
三浦 尚之 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (70770014)
端 昭彦 富山県立大学, 工学部, 講師 (70726306)
林 豪士 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (80824648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウイルス / 水道 / 水環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,不活化ウイルスと無傷ウイルスを識別するために,キャプシド完全性(RT-)qPCRが開発された。本研究では,SD-CDDP-(RT-)qPCRを用いて,上水および水道水中の無傷ウイルスの検出を検討した。関東地方で採取した63の水試料(表流水,n=20,水道水,n=43)についてウイルスを検出した.表流水では,従来の(RT-)qPCR法では,PMMoV(100%)が他のヒト病原性ウイルス(30%‐60%)よりも高い頻度で検出された.SD-CDDP-(RT-)qPCRでも,intact PMMoV(95%)が他のウイルス(20~45%)よりも多く検出された.水道水では,従来の(RT-)qPCRではPMMoV(9%)とAiV(5%)を除き,ほとんどの対象ウイルスが不検出であった.地下水中の水道水にはPMMoVが存在しないのにAiVが存在することは、地下水中のウイルス指標としてのPMMoVの限界を示すものであると思われる。表流水から作られる水道水のウイルス安全性を保証するために、無傷のPMMoVが存在しないことを利用できる可能性がある。 また、マウス肝炎ウイルスに対して、CDDPは100uMの濃度で、RT-qPCRによる感染性の選択的検出(CDDP-RT-qPCR)に最も有効な試薬として同定された。CDDP-RT-qPCR法とRT-qPCR法を用いて,首都圏で採取した16検体の生排水からSARS-CoV-2を検出し,比較検討した.RT-qPCRのみで評価した場合,5検体がSARS-CoV-2陽性であった。しかし,CDDP-RT-qPCRでは3検体からしか検出されなかった.CDDP-RT-qPCRは廃水中のSARS-CoV-2の感染性を決定することはできなかったが,この方法はRT-qPCRによって得られたSARS-CoV-2の陽性結果の解釈を改善することができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多種多様な水中ウイルスに対して、測定方法にも工夫を加え、総合的に水の微生物学的安全性を確保するための知見を順調に蓄積してきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスに関する研究を追加するが、それ以外は申請書の提案に沿った内容の研究を進める。
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Research Products
(3 results)