2020 Fiscal Year Annual Research Report
ICT時代における実空間移動の価値とモビリティ革命への含意
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20H00262
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30166392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 俊行 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (80273465)
三輪 富生 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (60422763)
佐藤 仁美 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (00509193)
姜 美蘭 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任講師 (40377990)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 移動の価値 / 実空間活動 / サイバー活動 / リスク認知 / 満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人が実空間を「移動」してリアルな体験を行うことの価値に関して、「交通」と「活動」の観点から科学的に評価・計測する方法論を確立することである。初年度である令和2年度は、移動を伴う活動(実空間活動)とICT(情報通信技術)を利用したサイバー活動の相違について既往文献の整理を行い、ミクロ経済学の効用の概念を用いて実空間活動とサイバー活動の選択行動の分析フレームワークを提案した。 次に、実空間活動とサイバー活動の効率性や活動の満足度などを評価することを目的に、 2020年3月に実施した「通勤とテレワーク」や「業務移動とテレビ会議」に関するwebアンケート調査データを用いて、フィジカルな移動とICT利用におけるリスク認知や満足度の比較を行った。さらに、テレワークへの意向について南関東、東海、関東での比較分析を行った。その結果、テレワークのリスク認知には地域による違いはなかったが、通勤のリスク認知には、移動手段による違いがあることが明らかとなった。また、テレワーク意向のモデル分析結果からは、これらのリスク認知がテレワーク意向に影響を及ぼすことが確認できた。 COVID-19の影響により、テレワークやオンライン会議を経験する人が増加したことから、2021年3月にも同様のアンケート調査を実施し基礎分析を行った。理想の通勤とテレワークを尋ねたところ、全部通勤との回答が最も多く、次に1:1と回答する人が多かった。実空間活動とサイバー活動それぞれには個々人が感じる利点と欠点があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、「ICTと移動の価値に関する研究」、「移動と健康に関する研究」、「ICTと移動量に関する研究」の3つの研究を実施する。「ICTと移動の価値に関する研究」では、移動を伴わないヴァーチャル参加と、移動を伴うリアル参加でのコミュニケーションの効率性や活動の満足度などを評価する。具体的には、昨年度実施した、「通勤とテレワーク」や「業務移動とテレビ会議」に関するwebアンケート調査データを用いて、リスク認知や満足度とリアル参加とバーチャル参加の代替性について分析を行う。「移動と健康に関する研究」では、移動と健康に関する調査データ等を用いて,移動が健康に及ぼす影響について分析を行う。「ICTと移動量に関する研究」では、e-shoppingなどICTの利用状況と移動頻度、利用可能な交通手段、普段の交通行動や個人属性など分析に必要な項目を整理し、webアンケート調査を実施し、分析を行う。
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