2020 Fiscal Year Annual Research Report
Infrastructure and design for next-generation transport systems in the MaaS + CV era
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20H00265
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井料 隆雅 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (10362758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20706957)
佐津川 功季 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40867347)
浦田 淳司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70771286)
赤松 隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90262964)
原 祐輔 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50647683)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Mobility as a Service / Connected Vehicle / 次世代交通システム / インフラストラクチャ設計 / 制度設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,次世代交通システムの構成要素である「利用主体」「MaaS(Mobility as a Service)」「輸送主体」「CV(Connected Vehicle)による交通制御+道路インフラ」の特性を記述する数理モデルを構築し,これらの特性を数学的手法および数値計算によって解析し,さらに実データによって検証する.今年度(2020年度)は4年間の研究機関の初年度であり,各要素の条件を限定した比較的単純な数理モデルの構築と解析に着手した.今年度構築のモデルのポイントは,輸送主体やMaaSが多数のときの制度設計のための分析と,CVを前提とした優先制御の効果の分析の2点である.前者の分析においては,ネットワークに混雑が発生しない場合としうる場合の2つの状況を考慮した.混雑が発生しない場合は,輸送主体間に混雑による外部性が発生しないため,理想的状況では競争による最適な資源配分が期待できる.一方,混雑が発生する場合は,資源配分の調整が混雑により行われることになり,社会的損失が発生する.混雑料金や通行権のような規制により前者の状況を維持することが望ましい.それはできないときは,輸送主体間の外部性の排除を実現することが社会的に見てよりよい状況を実現するポイントとなる.後者の分析においては,輸送主体ごとに道路の容量を分割して割り振ることを制御の基本方策とした分析を行った.このための分析手法としては,信号機の適合制御で用いられる方法と,Cell Transmission ModelあるいはVariational Theoryを拡張した方法の2つを用いている.前者については大規模シミュレーションによる計算方法を開発している.後者については,いわゆるFirst in First Out制約の緩和による数理的手法を開発している.以上2点のほか,需要モデルの構築の着手も行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であった比較的単純な数理モデルの構築と解析を実施することができている.需要モデルについても初年度の目標であった着手ができている.大規模計算については計画ではもう少しあとに実行する予定であったが,交通制御に関して着手をすることができており,この点では研究は進んでいるといえる.一方で,理論モデルにおける進化ゲームによる取り扱いについては目立った成果がまだ出ておらず,やや遅れているといえる.これら2点について計画からのずれはあるものの,全体的には概ね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には計画どおり実施する予定である.今年度は昨年度に分析した2つの状況を同時に考慮した分析を行うほか,需要モデルの構築を継続する.今年度行った分析と既存研究レビューの内容を考慮すると,MaaSに関する研究のうち,特に交通ネットワークにおける混雑を考慮する研究や,交通制御と連携させる研究により重点を置くことが研究の新規性を向上するために有効であることがわかってきた.このため,今後は特に輸送主体ごとに適用可能な交通制御について,その数理モデルと,CVを介した実用可能性についてより力を入れた分析を行い,MaaSとの融合による次世代交通システムの具体像を明確にすることを目指す.また,この目的のため,今年度から分担者1名を追加し,主に交通制御とネットワークの空間構造の関係に関する研究について共同で実施することとしている.
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Research Products
(4 results)