2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis and assessment technology for seismic collapse safety of steel building structures
Project/Area Number |
20H00269
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡崎 太一郎 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20414964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 良太 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00624397)
岸田 明子 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主幹研究員 (10599468)
松宮 智央 近畿大学, 建築学部, 准教授 (20454639)
高橋 典之 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60401270)
藤原 淳 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主幹研究員 (80817049)
長江 拓也 名古屋大学, 減災連携研究センター, 准教授 (90402932)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 鋼構造建築物 / 振動台実験 / コンピュータ解析 / 倒壊挙動 / 耐震性能余裕度 |
Outline of Annual Research Achievements |
鋼構造建築物の倒壊過程を実験的に解明する研究目的に沿って、国立研究開発法人防災科学技術研究所の大型耐震実験施設で、2020年11月から12月にかけて、縮尺1/2のパイロット試験体による振動台実験を実施した。同研究所の兵庫耐震工学研究センターで、2020年12月に実施された日米共同実験に参加し、次世代型鋼構造システムを開発する研究を推進した。大型耐震実験施設で、2021年12月に、縮尺1/3の4層ラーメン構造の倒壊実験を実施した。一方で、倒壊に至る鋼構造の非線形・動的挙動を追跡するコンピュータ解析技術を確立する研究目的に沿って、数値モデル化技術を種々検討してきた。一連の研究活動で得られた成果は、下記のとおりである。(1)倒壊実験によって、柱や梁が降伏し破断する過程と、損傷と破壊が架構全体に伝播する状況に関する実データを収録できた。(2)複数の実験から得た、鋼構造架構の非線形動的応答に関する実データを、既往の大規模振動台実験のデータと合わせて、数値解析技術の検証を進めてきた。特に、破断を模擬するための現状のモデル化手法では、既往の重層架構実験で観察された、部材破断後の部材力再分配を正しく再現できないことを突き止め、今後の課題を特定した。減衰モデルの選択によって、架構の応答変位や応答加速度が異なることに注目し、定量的な検討を進めた。(3)部材破断の再現方法を含めて、ブレース付鋼構造架構の解析手法に関する知見を蓄積し、現状のブレース付鋼構造架構が保有する耐震性能を検証した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年に予定した実験を、一部、2021年に後ろ倒しにしたが、入念に準備できたこともあって、確実な結果を得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初は、2022年度に、国立研究開発法人防災科学技術研究所の大型耐震実験施設を利用した振動台実験を計画していたが、同施設が2021年度末をもって閉鎖されたために、大幅な変更を余儀なくされる。振動実験に代わって、北海道大学建築都市学教室の構造実験室で、不静定な部分架構試験体の静的繰返し載荷破壊実験を実施する。振動台実験で培った技術を駆使して、多数の計測機器とビデオカメラにより、個々の部材の降伏・破断に伴って、応力再分配が進行し、部材が連鎖的に破壊し、剛性と耐力が変化し、変形が増大し、最終的に架構が倒壊するまでの過程を、詳細に記録・観察する。一方で、2021年度に製作した、縮小連層骨組試験体と同材料・同寸法の柱梁部分架構試験体を、北海道大学建築都市学教室の構造実験室で、静的繰返し載荷破壊実験を実施する。2種類の実験によって、数値解析モデルを較正するために必要な、部材単体と構造システムの耐震性能に関する、破壊に至るまでの高精度のデータを把握する。もう一方で、柱・梁・ブレース・接合部等の構造部材の崩壊挙動に関するモデル化技術を整備する。さらに、設計者・研究者の経験や恣意的判断に依存しない、客観的で自動的なモデル化方法の確立を目指して、過去の連層骨組実験、特に倒壊実験のデータを用いて、さまざまなモデル化手法の適性や適用範囲を分析する。技術的には、数理近似方法、要素の分割方法、材料則、破壊・劣化パラメータの汎用化と最適化が課題である。
|
Research Products
(7 results)