2020 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of digital twin that fuses AI and physical model to optimize building energy system
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20H00273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90251470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 達夫 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (00316001)
池田 伸太郎 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (00843525)
崔 元準 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30817458)
菊本 英紀 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80708082)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デジタルツイン / モデル予測制御 / 人工知能 / 最適制御 / 建築エネルギー設備 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、デジタルツインと呼ばれる概念が製造業を中心に注目を集めている。現実空間の計測データをサイバー空間に集約し、現実世界を模した シミュレーション環境を構築することで業務効率の改善が期待されている。本研究では、このような技術の理論構築および実用化を最終的な到達点に据え、1設備機器および室内環境のモデリング手法の開発、2完全自動制御手法の汎用化、3それらの統合プラットフォームの開発、以上の3項目について研究を行う。これにより、自動的かつ継続的な省エネ化や省CO2化、在室者の快適性向上といった効果が多様な建物で期待できる。本研究の目的はデジタルツイン構築の基礎理論を確立し、社会に資する汎用的な建物エネルギーシステムの制御方法の実現に寄与することである。これを達成するために、次の3項目について研究をおこなう。 ①設備機器および室内環境のモデリング手法の開発: 建物エネルギーシステムには物理関係が明確なものと不明確なものが混在するため、それぞれの長所を生かし短所を補うために融合するモデリング手法を開発する、②完全自動制御手法の汎用化: 既存のルールベース制御が適用されてきた多様な制御対象を自動制御できる汎用性を行う、③各要素の統合プラットフォームの開発: デジタルツインを構築し、予測モデルと制御システムを統合したプラットフォームを開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の想定に反し、実験システムからの計測データの分析により、より様々な実験条件に基づいた追加実験が必要不可欠であることが判明した。研究遂行上、建築設備システムの運用効率は外気条件に大きく依存し、それに応じたシステムの挙動を十分反映できる機械学習モデルを作成するためには、様々な屋外環境でデータを収集して学習する必要があった。また、本研究で提案する手法を汎用的に活用させるためには、時々刻々変動する建物の需要側の予測モデルが追加的に必要であることが判明した。現在までは、建物にエネルギーを供給する熱源側に着目して研究を行ったが、建物需要予測モデルを追加的に考慮する必要があるためやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
東京大学:設備機器及び室内環境モデリング手法の開発設備機器のモデリング設備機器の経年劣化や計測ノイズなどを考慮するためには、機械学習などの統計的モデルが有効である。そこで、Artificial neural network(ANN)等のモデルについて構造や学習パラメータを精査した上で、新たなアプローチとしてフィードフォワード型ANNや 再帰型ANN等を組合せたアンサンブル手法の提案により予測精度ならびにロバスト性を高める。また、これまでの物理モデル開発の知見を活か し、学習データセットにおける境界条件の設定や実運用時における物理・統計両モデルの自動切替方法について検討する。 東京理科大学:完全自動制御手法の汎用化 最適化手法の高速化・汎用化:現在の多点探索べースの最適化手法は計算速度・精度の両面から優れた手法であるが、探索にランダム性を伴うことからBlack boxモデルに分類され、算出された解の信頼性について理論的に説明づけることは難しい。そこで、最適化過程の可視化をおこ なうことでどのような経過で解が導き出されたのかを明確にし、White boxのような知見を得られるよう改良する。また、最適化手法に含まれ る複数のパラメータ値を自律的に修正する方法(Self-learning process)を提案し実装することで多種多様な建物に対応可能な仕様とする。
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