2021 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾ極限センサを用いたインフラ構造物の簡易自律型健全性モニタリングシステム
Project/Area Number |
20H00290
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
下井 信浩 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (10300542)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CUADRA CARLOS 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (30302194)
中正 和久 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40780242)
木村 祥裕 東北大学, 工学研究科, 教授 (60280997)
菅野 秀人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (20336449)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | Anchor bolt, / Deformed bar, / Health monitoring, / Piezoelectric sensor, / Steel weld joint |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で設計・製作したピエゾ複合センサの出力特性を計測するロボットSALLYは,センサ1種類の計測時間は約20分であり,測定員2人で1日に24種類のセンサ出力測定が可能である.仮に30種類のセンサ出力を測定する場合でも延べ日数で1.2日×2人=計2.4日で計測でき,鉄骨試験体を用いる実装試験と比較して人的コストは1/18になることが証明された. これまでに鉄骨の試験により,センサ出力特性計測を実施したのは板厚2.0 mmのA型センサのみであるが,このセンサでは特性計測ロボットと実装の両試験において変位量とセンサ出力の関係は同様であった.また,FEM解析と実装試験の結果ピエゾ複合センサはベース金属板の厚さや形状により溶接接合部を想定した破壊時のセンサ出力状況が異なることが明らかになった.SALLYによる引張試験と圧縮試験においては,A型センサ,B型センサともに板厚1.6 mmと2.0 mmの両ピエゾ複合センサで比較的安定した計測結果が得られ,変位量8 ~10 mm近傍の時に大きなセンサ出力が認められた.一方,板厚2.0 mm のA型センサの実装試験結果においても,変位量8~11mm近傍でセンサ出力が生じた.目標とする変位量5 mm以上10 mm未満の範囲において,ロボットと実装の両試験でセンサ出力を確認することができたことから,本センサの信頼性が証明されたと思われる. センサの信頼性や特性を検証するためには,定量的に多数のセンサ出力特性を計測できるロボット開発が重要であり,将来的に実用化が強く望まれる分野であると思われる.構造物の健全性の長期計測を可能にするセンサ開発および簡易モニタリング技術の構築は非常に重要な課題であり,今後も地道に計測システムの構築や計測技術の向上のために努力したい.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,最先端技術を用いたインフラ構造物の健全性および危険度予測や危険値に関する可視化計測である.安価な独自構造のパッシブ型ピエゾ極限センサによる簡易解析システムを用いた評価方法を開発する.更に,システムの省人化や簡素化によるインフラ構造物の維持管理費の抑制を目指す.研究成果に関してもセンサの性能評価を定量的かつ低コストで実施可能なロボット計測技術を構築し実装試験によるセンサの性能評価を可能にした.
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度まであと2年を残すのみで,実装試験の最終段階であるCR構造物に関する本センサの計測評価を実施する.また得られた測定結果をもとにした国際会議での発表や論文記述の実績を構築するため,積極的に投稿する予定である.
|