2022 Fiscal Year Annual Research Report
金属材料における溶解ダイナミクスと凝固ダイナミクスの相互関係の学理の構築
Project/Area Number |
20H00310
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森下 浩平 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00511875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 溶解ダイナミクス / 凝固ダイナミクス / レーザー溶融 / Ni基超合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに低速凝固域での溶解・凝固ダイナミクスについての実証的データについての基礎的知見を得た後に,組織を定義するパラメータと溶断との関係について検討を進めてきた.今年度は急速凝固域で溶解前組織と急速凝固組織の関係に係る実証的データの取得を進めた.供試材として引き続き第2世代Ni基超合金を用いた. 抵抗加熱炉による緩やかな昇温による溶解とそれに引き続き生じる凝固とは異なり,レーザーを走査させないスポット照射による急加熱によって形成される溶融池では液相表面の急峻な温度分布によって表面張力勾配が形成され激しいマランゴニ流が生じる.10元系であるNi基超合金はミクロ偏析によって固相内(溶解前組織)に著しい溶質分布を有するが,溶融池内においても溶融池中央とその他の領域において溶質分布を示すことがその場観察により明らかとなった.そこでTaC粒子をトレーサーとして液相流動を確認した結果,溶融池周辺ではマランゴニ流により液相が攪拌されることで溶質濃度が均一化されるのに対し,溶融池中央では液相流動の弱い領域が存在することが明らかとなった.凝固後にも保存されるマクロ偏析とも呼べるこの溶質分布は溶解前組織の溶質分布と溶融池内での流動の著しく弱い領域との位置関係によるものだと考えられる.すなわち,溶出元素が攪拌されないことによる結果である.マクロ偏析状の溶質分布はレーザーを走査した場合の移動する溶融池内にも確認されたが,その透過輝度(溶質分布)と溶解前組織との位置関係からも同様の結果が得られた.したがって急速溶解・急速凝固域においては溶解前組織と流動の弱い領域との大小関係が再凝固組織に影響するものと考えられる.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)