2020 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習が道先案内する進化分子工学:がん治療抗体のスマート成熟プロセス提案
Project/Area Number |
20H00315
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 光央 東北大学, 工学研究科, 教授 (70333846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 倫史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40415774)
齋藤 裕 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60721496)
津田 宏治 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90357517)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 進化分子工学 / 機械学習 / タンパク質 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
20種類のアミノ酸が重合したタンパク質は、アミノ酸の配列に従って構造と機能が決まる。しかし、アミノ酸配列が取り得る「場合の数」(配列空間)は膨大で、その配列空間から目的機能をもつアミノ酸配列を見つけだすことは確率の低い作業である。本研究では、人工知能である機械学習を用いて、小規模な配列集団の情報から進化の方向性を示し、目的機能をもつアミノ酸配列を予測できる技術を高度化させて、抗体医薬の開発を加速するプロセスを開発する。本年度は、モデル抗体断片の標的結合性を向上されるアミノ酸配列の設計を行った。 (1)モデル抗体断片を対象としてファージ提示法を用いて抗体配列中に変異を導入する箇所を決定した。そして、同定された箇所限定でライブラリーを作製し、元の抗体断片よりも標的結合性が良い陽性変異体を含む学習データを収集した。 (2) (1) から得られたアミノ酸配列と機能の相関情報を学習データとして、アミノ酸配列から未測定変異体に対する機能評価値を予測する機械学習を行った。ベイズ最適化プログラムなどを使用して機械学習を行い、アミノ酸配列空間中の全変異体に対して機能評価値を予測しリストを作成した。 (3) (2)で作成されたリスト中で機能が上位の変異体を作製して機能評価を行い、再度機械学習の学習データを作成した。その際に、機械学習が予測した変異体を作製する際の遺伝子の設計は複雑であることが分かったが、その設計を可能とする手法を構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機械学習に必要な学習データが取得できており、目的機能をもつ変異体を機械学習で予測できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体の構造安定化に向けた機械学習を実施していく。
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