2021 Fiscal Year Annual Research Report
Revolution of semiconductor bulk crystal growth technique by transport phenomena combined with information technology
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20H00320
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 泰則 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90204007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 裕光 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50249934)
宇治原 徹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60312641)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 結晶成長 / 数値流体解析 / 人工知能 / ベイズ最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前国際宇宙ステーション(ISS)を用いて作製したInGaSb混晶半導体試料における成長速度の実測値を数値解析を用い再現を試みたが困難であった。種々の検討の結果、数値解析で用いている、InSb融液内のGaSbの拡散係数の既往報告値が実際より大きすぎることが判明した。そこで、対流の無い微小重力実験下で作製した試料における結晶成長速度、結晶内濃度分布から拡散係数をGaSb濃度の関数として逆算することとした。解析は融液内の拡散方程式、エネルギー方程式、結晶内のエネルギー方程式を連立し、固液界面においては、溶質とエネルギーのバランス式を境界条件として用いた。そこにベイズ最適化を用い、異なる面方位の3本の結晶全てにおいて最も実験結果を再現できるようにデーター同化を行った。その結果、世界で初めてInSb融液内のGaSbの拡散係数をInSbの濃度の関数としてあらわすことに成功した。通常物性値は何らかの手法を用い直接測定するものであるが、本手法を用いれば作製した結晶内の成長速度分布や濃度分布を測定することにより特別な手法を用いなくとも物性値が測定できることが示された。 一方、Physical Informed Neural Networks (PINNs) と呼ばれる、従来の数値解析とニューラルネットワークの両方を利点を有する手法について検討を始めた。現時点では単純な2次元矩形内の自然対流、マランゴニ対流の解析に限られるが、0.1秒以下の時間で通常の数値解析手法では数分程度必要な解析を高精度で行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた高温融液内の物性値を人工知能技術を活用し算出することに成功した。また融液内の移動現象を高速で予測するための手法の開発に取り掛かり基礎的な部分の構築は終了しており、当初の予定は大滑順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度求めた物性値を用い、微小重力実験で高品質な結晶成長を可能とする条件を探索する。これまでのベイズ最適化に加え、強化学習手法も取り入れる。 一方物理法則を満たすニューラルネットワークであるPINNsを実際の結晶成長技術である直ラルスキー法によるシリコン単結晶作製に拡張する。
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Research Products
(4 results)