2022 Fiscal Year Annual Research Report
Revolution of semiconductor bulk crystal growth technique by transport phenomena combined with information technology
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20H00320
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 泰則 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90204007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 裕光 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50249934)
宇治原 徹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60312641)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 結晶成長 / 数値流体解析 / 人工知能 / PINNs |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度ベイズ最適化法を宇宙実験で作製した実際の試料内の成長速度、濃度分布に適用し算出した拡散係数を用い、微小重力環境下で平坦な固液界面形状を維持したまま結晶成長を行う条件を見出した。基礎式として融液内の拡散方程式、運動方程式、エネルギー方程式、結晶内のエネルギー方程式を用い、固液界面においては熱と溶質のバランス式を考慮した。成長開始時の初期温度勾配はベイズ最適化法で求め、るつぼ回転を経時的に変化させるシーケンスを強化学習により求めた。通常結晶成長時のるつぼは静止あるいは一定の回転数であるが、細かく経時的に回転数を制御することにより固液界面形状を平坦に維持した高品質結晶作製が可能となることを示した。 一方、昨年度極めて単純な形状について適用したPhysical Informed Neural Networks (PINNs)を実際の結晶成長であるチョクラルスキー法によるシリコンバルク単結晶成長プロセスに適用した。基礎式である、連続式、運動量保存式、熱伝導方程式に加え、境界条件を学習させた。学習時間に約1日を要するが、いったん学習してしまえば通常の数値解析では1計算当たり数十分から1時間程度要する計算が、わずか0.1秒程度で、しかも高精度で算出可能であることを示した。本法を用いれば結晶成長に伴う融液高さの経時的減少に付随する計算格子の再構築が不要なため、本法は実際の結晶成長の現場において、実時間解析として活用可能な技術である。加えて本法は基礎式を用いる解析全てにおいて適用可能な技術でもある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
宇宙環境における最適条件について提案でき、これを元に実際の地上実験における最適化への拡張を行う準備が整った。またPINNsはこれまでにないCFD革命ともいえる画期的な技術であり、本手法を使えることになったことは今後の研究進展に極めて大きな意義がある。
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Strategy for Future Research Activity |
地上における高品質InGaSb結晶成長条件をベイズ最適化法を用い探索する。その際新たなパラメーターとして縦磁場を考慮する。 PINNsに関しては結晶回転や乱流などの影響も考慮しより実際の結晶成長に近い条件に拡張する。またより複雑であるTSSG法によるSiC結晶成長に拡張する。
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Research Products
(6 results)