2023 Fiscal Year Annual Research Report
Revolution of semiconductor bulk crystal growth technique by transport phenomena combined with information technology
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20H00320
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 泰則 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90204007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 裕光 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50249934)
宇治原 徹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60312641)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 結晶成長 / 数値流体解析 / 人工知能 / PINNs |
Outline of Annual Research Achievements |
GaSb/InSb/GaSbサンドイッチ試料からの一方向凝固において、固液界面を平坦に保った高品質結晶を育成するための提言として、ベイズ最適化による初期条件の設定に、強化学習を組み合わせることによる育成シーケンスを提言した。強化学習は事前に教師データーが不要であるため、本手法は極めて広範囲な成長条件に対応しうるものと考えられる。 一方、引き上げ法によるシリコンバルク単結晶育成におけるデジタルツイン技術作成に関しては、これまでの純粋なPINNsにおける境界条件の精度向上を目的として、新たにハイブリッドPINNsの開発に成功した。これにより瞬時に高精度で固液界面上の縦方向温度勾配が算出できるため、固液界面形状の予想が容易となった。 上記の技術は2点とも、結晶育成中にるつぼ周囲の温度を測定さえすれば、通常では観察不可能な融液内の流動、温度、濃度分布がその場で観察しうるものであり、結晶成長初心者であっても極めて感覚的に成長の様子が捉えることが可能となる。また従来のベイズ最適化ではいくつかの実験結果あるいは数値解析結果が必要であり、その習得に時間を要したが、特にPINNsにおいては1run辺り約0.1秒という高速で結果を得ることが可能であるため、あえて最適化手法をせずとも単なる試行錯誤を行ったとしても極めて高速で最適解にたどり着くことが可能である。これは最適化手法やそのプログラミング手法に長けていない技術者においても気楽に最適解にたどり着くことが可能であることを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベイズ最適化と強化学習という異なるAI技術を融合することにより、教師データーを必要とせずに最適な結晶成長条件をその場で予測できるようになったことは大きな進展である。 加えて、PINNsの精度がハイブリッド化することにより大幅に向上し、実用化への道筋がより鮮明化してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き上げ法によるシリコンバルク単結晶育成に関するデジタルツインシステム構築に注力する。そのために融液内酸素濃度の瞬時予測や、結晶内濃度、温度分布の予測具術の開発に着手する。 同時にこれらの技術をTSSG法を用いたSiC作製技術へと応用展開する。
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