2020 Fiscal Year Annual Research Report
増殖にとらわれずに様々な前駆体を十分量供給できるプラットフォーム微生物群の構築
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20H00321
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 昭彦 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (40205547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勉 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90436551)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオリファイナリー / 代謝工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、増殖制御の基盤構築と重要な前駆体を蓄積する菌株の構築を進めた。キシロースを炭素源とした増殖制御系として、Dahms経路およびWeimberg経路を用いた。野生株および改変株に本経路をそれぞれ導入し、キシロース、およびグルコースとキシロースの混合糖を炭素源として増殖を評価した。導入した経路ごとに増殖速度に違いが見られること、またボトルネックがどこにあるのかが判明したことで、その解決に向けて次年度以降は検討を進める。特に、中間体の蓄積および経路全体のバランスが重要であることがわかった。また、野生株に比べるとその増殖能が低下することが新たに判明した。これについても、物質生産系と合わせて、どの増殖系が適しているかという点を総合的に評価して行く。また、新たな現象として、グルコース取り込み能力が低下するという現象が見られた。遺伝子改変によりこれまで抑制されてきた制御系が発現している可能性があり、その解明についても進めている。前駆体においては、アセチルCoAを基本とする各種CoAについて検討を行った。アセチルCoA、マロニルCoA、などのCoA群を評価するためにモデル化合物の生産系を構築した。同様にDHAPなど解糖系の上流の前駆体においてもモデル化合物の生産系を構築し、その評価系について検討を進めている。また、増殖と異なり、物質生産においてはフィードバック阻害などの多数の制御系が存在する。この制御系の解除と並行して、競合経路の破壊や副生成物の削除などの基盤の構築を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
増殖の制御系の基盤として2つの系統ができたこと、および前駆体の蓄積に関しても計画通り進んでいることから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き重要な前駆体を蓄積する菌株の構築および物質生産について検討を進めていく。
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