2022 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバイオAIデバイスによるスーパー耐性菌出現予測システムの創出
Project/Area Number |
20H00329
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
馬場 嘉信 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30183916)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | スーパー耐性菌 / サーベイランス / マイクロポア / 単一細菌センシング / 機械学習シグナル解析 / 細菌種識別 / 薬剤刺激 / 細菌細胞性状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、マイクロポアを用いた単一細菌センシングを基軸とした、スーパー耐性菌の(1)細菌種識別と薬剤耐性解析に関する検討を行った。 (1)では、単一細菌センシングと機械学習シグナル解析を組み合わせ、細菌種を識別した。四種類の細菌種(緑膿菌と大腸菌、アシネトバクター、黄色ブドウ球菌)の感受性株と耐性株をモデルとして識別した。昨年度に構築した異なる電気泳動の方向でも同時計測可能なシステムを用いてセンシングを行い、電気泳動の方向とシグナル特徴量に基づき細菌種を識別した。単一シグナルの識別率は90%以上であり、モデルとした細菌種を高精度で識別可能であることを実証した。 (2)では、上記の細菌株を対象とした単一細菌センシングに基づき、抗菌薬刺激に対する細菌細胞の性状変化の解析を行った。臨床的に重要なイミペネム(β-ラクタム系)を中心に抗菌薬刺激の検討を行った。各細菌種の感受性株ではイミペネムの刺激時間に応じて細菌細胞のサイズが変化することを明らかにしたが、耐性株では顕著なサイズ変化は観察されなかった。イミペネム刺激の前後における特徴量の分布がどの程度重なるかを指標として定量したところ、感受性株では5-40%まで重なり度合いが低下することを確認した。また、抗菌薬刺激の時間を検討したところ、感受性株の変化が顕著になる刺激時間が細菌種により異なることも明らかにした。 上記の結果を受け、細菌サンプルの細菌種から薬剤耐性までを一気通貫して解析可能なシステム構築も進めた。具体的には、シグナルの有無からサンプルが細菌を含むかを確認した後、機械学習単一シグナル解析により細菌種の識別に基づき薬剤耐性を評価する薬剤候補を選定して、その抗菌薬の刺激から薬剤耐性を解析した。大腸菌の感受性株・耐性株をモデルとして、100分以内に細菌種と薬剤耐性の識別が可能であることを実証した。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(31 results)