2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of molecular-resolution imaging technique for proteins on a live cell surface and its application to cancer research
Project/Area Number |
20H00345
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
福間 剛士 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (90452094)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 原子間力顕微鏡(AFM) / マイクロポーラスメンブレン(MPM) / MET受容体 / HGF / 分子分解能観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生きた細胞の表面における分子スケールの原子間力顕微鏡(AFM)観察を実現し、その技術を用いてがんの悪性化に関係する受容体であるMET分子の集合状態を直接観察して明らかにすることを目標としている。これまでに、数μmの穴がアレイ状に配置された厚さ数百nmのマイクロポーラスメンブレン(MPM)上に細胞を培養し、穴に露出した細胞の基底面をAFM観察することで、約10 nmの分解能で表面構造観察が可能であることを示してきた。また、この技術を用いて化学固定が細胞表面構造にもたらす影響も明らかにした(Commun. Biol. 2022)。一方、MET分子をノックアウト(KO)したCHO/KO細胞と、その細胞にMET分子をノックインして過剰発現させたCHO/KI細胞を準備し、それらを無血清培養することで安定に表面構造観察できることを見出した。 本年度は、AFMの走査範囲を制限することで、より再現性良く分子スケール観察できる技術を確立した。また、カンチレバーの振動振幅や位相の探針-試料間距離依存性(フォースカーブ)を異なる振動振幅や速度で取得し、高分解能観察に適した条件を検討した。一方、CHO/KOおよびCHO/KI細胞の表面構造を比較し、後者の細胞表面には微絨毛がより多く存在すること、および、それがMET阻害剤により減少することを明らかにした。これは、活性なMET分子の存在により微絨毛の形成が促進され、細胞の遊走性、浸潤性が増すことを示唆しており、がんの悪性化機構に関わる新たな知見が得られた。これらの結果から、MET分子が結合する成長因子であるHGF分子を溶液に加えた場合、微絨毛が増すことが予想されるため、今後はそれを示すデータを取得して、それらの結果をまとめて論文として公表する予定である。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(17 results)