2020 Fiscal Year Annual Research Report
Valence fluctuations and volumetric functions in samarium monosulfide SmS
Project/Area Number |
20H00346
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹中 康司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60283454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 丈夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (00443028)
片山 尚幸 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50623758)
鈴木 博之 東京大学, 物性研究所, 高度学術専門職員 (60354370)
今中 康貴 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 技術開発・共用部門, 副部門長 (70354371)
横山 泰範 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80402486)
岡本 佳比古 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90435636)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 価数揺動 / 体積機能 / 硫化サマリウム / 電子構造 / アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 液体窒素下において、広い範囲でI-V特性を計測し、SmSの電場誘起絶縁体-金属転移を実証した。この転移の機構や得られた金属状態の理解に不可欠と考えられる、この絶縁体-金属転移に体積変化がともなうかどうかの検証を行うため、I-V特性と同時にキャパシタンスブリッジによる歪計測を行うことのできる測定系を構築し、予備実験を開始した。 (2) Smサイトを他の希土類R (R=Y, Ce, Pr, Nd)で置換したSm1-xRxSの単結晶を合成し、光反射分光から、ドーピングによる電子状態の変化を検証した。とりわけ、YおよびCe、2種類のドーパントについて同じ置換量x=0.2における光学伝導度を比較したところ、Yドープの場合は価数転移前の(4f)6の電子状態が反映されていたのに対し、Ceドープの場合は価数転移後の(4f)5(5d)1の電子状態が反映されていることがわかった。この結果は、Ceドープはより多くの電子をSmに供給していることを示唆する。電子エネルギー損失分光法によりCe価数を評価したところ、単結晶試料中ではCeは3.2~3.3価であると推定され、YドープとCeドープの違いはドーパントの価数の違いが一因となっている可能性がある。今後、他のドーパントにも測定を広げる。 (3) 磁場による価数転移の検証に向けた実験の準備を行った。強磁場下でも安定的に電気的測定ができるよう、電極形成の手法を改善した。また、試料の品位と電極状態の検証のため、無磁場下での電気抵抗測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響で資材の入手難(特注品の納期遅延)もあり、測定系の整備がやや遅れ気味であったが、今年度事業を延長することで、ほぼ挽回できている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症による外出制限等の影響から、研究機関館の移動が制限されており、例えば磁場下での伝導度測定などは依然として制約された状態である。前準備・シミュレーションをできる限り入念に行うとともに、予定されていた機関以外の設備の利用も検討して、研究を進めたい。
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