2020 Fiscal Year Annual Research Report
Science of Post-nanocarbons: Structural science of nano pi-space
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20H00375
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯部 寛之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (30302805)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノカーボン / 有機合成化学 / 物理有機化学 / 巨大分子 / 湾曲π共役 |
Outline of Annual Research Achievements |
「ポストナノカーボン科学:ナノπ空間の精密構造科学」と題した本研究は,明確・一義な構造を有する新たなナノカーボン分子を設計・合成し,その特性解明とそれに基づく機能開拓を目指すものである.「大きく曲がったπ電子系の特性とはなにか?」を根源的な問いに据え,「新分子・新物質創造」によりその解を追い求める提案である.本研究課題では,「1.多様構造の創造」「2.基本特性の解明」「3.機能性への展開」の3項目を検討項目とし,その三つ巴の研究展開により,「分子性ナノカーボンの科学」を飛躍的に発展させることを目指して検討を進めた.本研究期間には,特に「1.多様構造の創造」「2.基本特性の解明」に注力した.「1.多様構造の創造」においては,主にヘテロ原子を導入した新分子の設計・合成を進めてきたが,窒素原子を導入した巨大筒状分子の合成に成功し,窒素ドープがもたらす電子的影響について詳細を検討した.「2.基本特性の解明」の項目では,筒状の炭化水素ホストと,球状のアザフラーレン回転子からなる超分子会合体を構築した.これは以前に我々が発見している,分子間の極微摩擦により固体内慣性回転を実現する「分子ベアリング」の窒素原子をドープした類縁体である.この窒素ドープ型分子ベアリングについて,溶液中における動的挙動をNMR測定と理論計算を用いて詳細に解析した.特に置換基を有する分子ベアリングにおいて,筒の上下をフリップする興味深い運動を解明した.その他,「3.機能性への展開」に関連して,鎖状オリゴアリーレンの有機EL素子への応用に関する成果を報告した.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)