2020 Fiscal Year Annual Research Report
Catalytic Asymmetric Synthesis Utilizing Chiral Non-Bonding Interaction and Dynamic Covalent Bond as a Source of Chirality
Project/Area Number |
20H00377
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉野目 道紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (60252483)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不斉合成 / キラルポリマー / らせん高分子 / 不斉増幅 / 動的キラリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
分子キラリティは生体中の生理活性分子の働きのみならず、分子集合体の集合状態や、円偏光などの物理的なキラリティを制御する観点からも極めて重要な構造因子である。不斉合成はキラルな分子の二つの鏡像異性体のうちの一方を高選択的に作り出す分子技術であり、最終生成物のキラリティは常に天然化合物のキラリティからの多段階にわたる不斉転写-すなわちキラリティのリレー-に依っている。なかでも触媒的不斉合成は天然物のキラリティを一旦キラル触媒に転写し、それを触媒反応によって生成物へと転写する方法論である。この方法は少量のキラル化合物から多量のキラル生成物を生み出すこと、すなわち不斉増殖を可能にするため、この半世紀にわたり精力的な研究が続けられてきた。これまでに開発されてきたキラル触媒は固定化された-ラセミ化しない-中心、軸、または面キラリティを有しており、天然化合物からの多段階の立体選択的共有結合形成に依存している。このような従来の非動的キラリティをもつキラル触媒を用いる場合には、天然キラル源からの不斉転写が多段階にわたるうえ、その不斉転写には必要なキラル触媒骨格に応じた個別の立体選択的合成法開発が必要であった。本研究ではこの対極として、「動的キラリティを持つ分子触媒」を用い、様々な遍在キラル化合物から1段階の不斉転写でキラル骨格を可逆的に誘起して行う、次世代の触媒的不斉合成システムを確立することを目的としている。 令和2年度においてはこれを実現するための基盤となる不斉反応として、ポリキノキサリン骨格にビピリジル基を導入したPQXbpyをキラル触媒とする不斉炭素ー炭素結合形成反応、および同骨格にp-ジメチルアミノピリジル基を導入したPQXmdppをキラル触媒とする不斉Steglich型転位反応を開発し、報告した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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