2022 Fiscal Year Annual Research Report
New Development of Asymmetric Catalytic Reactions Using Chiral Phosphoric Acid
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20H00380
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
秋山 隆彦 学習院大学, 理学部, 教授 (60202553)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不斉合成 / キラルリン酸 / 触媒 / 光酸化還元触媒 / エナンチオ選択性 / キラリティー / 光反応 / キラルブレンステッド酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
優れた不斉触媒反応の開発は,キラルな化合物を効率よく合成する重要な方法論の一つであり,活発な研究が行われている。研究代表者は,キラルリン酸がキラルブレンステッド酸として優れた不斉触媒能を有することを世界に先駆けて見出し,その後,引き続き,キラルリン酸を用いた不斉触媒反応の開発を強力に推進している。本研究においても,キラルリン酸を中心にして不斉触媒反応の開発に注力した。 3位にヒドロキシアルキル基を有するインドール誘導体に対するFriedel-Craftsアルキル化反応により,インドールの3位に第四級炭素骨格を光学純度よく構築することができた。また,リン酸パラジウム錯体を用いることにより,炭素ー水素結合の活性化を経る,軸不斉を有するビフェニル化合物を高いエナンチオ選択性で得た。反応の遷移状態を量子化学計算により明らかにした。さらに,キラルリン酸と光反応を組み合わせた反応についても,精力的に検討した結果,[2+2]付加環化反応によるシクロブタン誘導体の不斉合成に成功した。また,ベンゾチアゾリンの2位のアルキル基のイミンへの移動反応が高いエナンチオ選択性で進行し,対応するアミン類が光学純度よく彫られた。これらの光反応は,光触媒を添加することなく反応が効率よく進行した。これは,キラルリン酸と基質が錯体を形成し,光により励起されたためと考えられる。 以上,キラルリン酸がキラルブレンステッド酸のみならず,配位子として,さらに,光との協働触媒としても作用することを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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