2020 Fiscal Year Annual Research Report
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20H00390
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHALEI BEHNAM 京都大学, 高等研究院, 特定准教授 (30725411)
山口 大輔 京都大学, 高等研究院, 特定講師 (60370483)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | OMプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度はOMプロセスに関して、制御可能な応力場の導入、OMチャネルの親水化のケミストリーの確立、スケールと次元の拡張、OMチャネルの機能化の各項目についての進捗を目指し、以下のことを達成した。(1)制御可能な応力場の導入方法として、架橋導入のためのUV照射量を局所的に変化させることにより、その後のOMプロセスで生成するマイクロチャネルの空孔サイズを可変にできる手法を確立した。(2)OMプロセスで生成したマイクロチャネルの壁面をアクリルアミドで濡らすことにより、チャネルの親水性が向上し、流路を流れる水溶液の流速が10倍程度増大した。これにより、OMで作製したポリマーシート内部に生理食塩水や擬似体液を流通させるセンサー用途の道も拓けた。(3)これまでフォトリソグラフィー用途のレーザー露光装置を学内共同利用施設(ナノハブ)で使用し、マイクロメートルスケールの高解像度・ミクロスケール印刷に特化していたが、ラボに新規にUVプロジェクタを導入することにより、印刷のスケールの拡張(マイクロメートルからセンチメートルまで)及び色調のコントラストの可変化に成功した。(4)空孔サイズの異なる流路を連結/分岐させるように設計し、OMプロセスにより作製したマイクロ流体デバイスを模倣したチップに分子量が異なる水溶性高分子(デキストラン)を混合し、二峰の分子量分布を有する水溶液を流して、分子量篩分けによる選別を試み、空孔サイズの大きい部分では両方の分子量のデキストランが共存し、空孔サイズの小さい部分で低分子量成分のみが流れていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OMを高機能化し、応用可能性を広げる狙いにおいて、マイクロチャネルを構成する空孔の特性のバリエーションを拡大することが、非常に重要な基礎的要件と考えているが、初年度に(1)空孔サイズを可変に制御できる方法論と(2)マイクロチャネル壁面の親水/疎水の調整を実現する方法論を見出せたことで、これらの要件をある程度満たすことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、以下の項目を重点的に推進したいと考えている。OMプロセスで可能な親水性をより高める材料・ケミストリーを開発し、これによりOMで作製した皮膚への貼り付けが可能なポリマーシート内部に生理食塩水や擬似体液を流通させるウェアラブルセンサーとしての開発を進める。導入したUVプロジェクタの活用により、OMで印刷可能な(平面から局面への)次元の拡張の調査を進める。
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