2021 Fiscal Year Annual Research Report
Platform of gene function analysis for Wild Oryza and understanding of seed diversity among Oryza species
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20H00424
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
佐藤 豊 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (40345872)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 野生イネ / 種子形質 / GWAS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国立遺伝学研究所が保有する野生イネ遺伝資源を利用した有用遺伝子単離と機能解析のプラットフォームの構築を、種子形質をモデルとして行うことを目的としている。本研究により、野生遺伝資源からの遺伝子単離と機能解析がルーチンに行えるようになり、野生遺伝資源が示す多様性の分子基盤が明らかになるとともに、気候変動時代における作物生産安定化に向けて、野生遺伝資源の育種への利用の可能性を広げることができる。本年度は以下の研究項目に取り組んだ。 (1)アジア野生イネOryza rufipogon遺伝子単離・解析プラットフォームの構築と検証(種子形質に着目):O. ruffipogonを用いて、形質評価→GWAS解析→候補遺伝子の検証というアジア野生イネからの遺伝子単離・機能解析のプラットフォーム構築の実証を行った。2021年度は既に取得した約600系統のO. rufipogonに次世代シーケンス情報を用い、GWAS解析に必要な情報の取得を行った。GWASに必要なゲノタイプ情報は上述のSNP情報を利用するが、これに加えて、フェノタイプ情報の取得もGWASには必要となる。そこで、種子形質を中心にGWASプラットフォーム構築に必要なフェノタイプ情報として、種子のメタボローム情報の取得をおこなった。(2)O. rufipogonの種子形多様性をもたらすシグナル分子をコードする遺伝子の解析については、成果を取りまとめ論文投稿を行なった。(3)アフリカ野生イネOryza barthiiについても同様の遺伝子単離プラットフォーム解析を構築するにあたり、その前提となるO. barthiiのゲノム情報の取得とその情報解析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生イネからの遺伝子単離・機能解析のプラットフォーム構築について、GWASによる遺伝子単離を行う目処をつけることができた。最初の1例が現在論文投稿中である。今後更にいくつかの形質で実際の遺伝子単離が進むと思われ、研究は概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、アジア野生イネ集団(Oryza rufipogon)を用いたGWAS解析の基礎的な情報の収集を完了した。今後は、種子に関わる幾つかの形質とGWAS用ゲノタイプ情報を組み合わせて、実際に、関連する遺伝子座の同定とその機能解析を行う予定である。また、アフリカ野生イネ集団(Oryza barhii)についても、同様の解析を可能とするプラットフォームづくりを進める。
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Research Products
(5 results)