2023 Fiscal Year Annual Research Report
プレエンプティヴ品質管理を介した低分子量Gタンパク質の新しい制御機構とその意義
Project/Area Number |
20H00457
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川原 裕之 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70291151)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | Protein quality control / ubiquitin / small GTPase / BAG6 / RNF126 / Rab8 / ciliogenesis / proteasome |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、BAG6による分解ターゲティングが必須である低分子量Gタンパク質をモデルに、プレエンプティヴ品質管理マシナリーが標的低分子量G タンパク質を峻別するメカニズム解明に挑戦した。真核生物ゲノムにコードされた100種を超える低分子量Gタンパク質のGTPaseドメインは、互いに高いアミノ酸配列の相同性を示す。一方、これらとBAG6との親和性には大きな差異が認められた。例えば、Rab8aやRhoAは強くBAG6と相互作用する一方で、Rab7、Rac1やRanファミリーは殆どBAG6との親和性を示さない。これら相互作用の差が、どのような生物学的意味を持っているかを意識して研究を進めた。 低分子量Gタンパク質Rab8のGTPaseドメインに存在するSwitch I領域が、BAG6ならびにユビキチンリガーゼRNF126との相互作用に必要であること、更にこれがGDP型特異的にRabタンパク質を不安定化を制御することがわかった (Takahashi et al., iScience 2023) 。RNF126はBAG6依存的にGDP型Rab8に結合し、そのポリユビキチン化とプロテアソーム依存的分解を誘導する。BAG6あるいはRNF126のノックダウンを行うと、GDP型Rab8は安定化し、小胞輸送の異常をもたらす。同時に、BAG6の機能抑圧は一次繊毛の形成不全を誘導することを明らかにした(Takahashi et al., iScience 2023)。 このように、低分子量Gタンパク質の新しい活性制御と意義の提案を目指して展開した本研究は、当初の目的に沿った成果の数々を挙げることができた。従って本研究は、低分子量Gタンパク質が司る様々な病態・生理を理解する上で、不可欠な視点を提供したと考えられる。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|