2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation for genetic regulation of enhancer expression and interpretation of genetic architecture in autoimmune diseases
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20H00462
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
寺尾 知可史 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (60610459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌谷 洋一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00720880)
川路 英哉 公益財団法人東京都医学総合研究所, その他部局等, 副参事研究員 (20525406)
小井土 大 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40787561)
村川 泰裕 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (50765469)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エンハンサー / 遺伝子発現 / 全ゲノム関連解析 / 遺伝多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
全ゲノム関連解析(GWAS)は多くの複雑形質の関連領域を明らかにしてきた。一方で、GWASで見出された関連多型の解釈は十分にはできてはいない。GWAS関連解析多型の多くはexonでなく遺伝子発現調節領域、特にエンハンサーに濃縮していることが示されている。
エンハンサーは遠位から三次元的にpromoterとinteractして遺伝子発現を調節する機能領域であり、細胞種や刺激状態によってエンハンサーとして働く領域は異なる。よって、GWAS結果解釈のためには、細胞種ごとのエンハンサーの地図を構築して、GWAS結果と統合することが必要である。細胞の刺激状態ごとの地図もあれば望ましい。また、エンハンサーと遺伝子の結びつきの地図も必要である。
本年度では、自己免疫性疾患の病態と関連多型の解釈を大幅に進めるため、東アジア人、ヨーロッパ人、アフリカ人のB細胞系の細胞株であるリンパ芽球様細胞(LCL)約430検体を対象にCAGE-sequence,NET-CAGEsequenceを行った。これらのサンプルは、いずれも全ゲノムシーケンスデータあるいはアレイデータが利用可能なサンプルである。特にCAGE-sequenceは深度深くsequenceを行い、低発現であって本データによるデータ深度によってはじめて同定可能と推定されるのものも含む、enhancerを14万以上同定した。興味深いことに、enhancerには大きな人種差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CAGE-seq を終え、エンハンサーを同定することができたため。遺伝子発現を制御する多型の解析準備も出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
同定したエンハンサーと遺伝多型を組み合わせてeQTL解析を行う。人種を統合した解析と、人種ごとの解析を行う。研究は順調に進捗しているため、下流の高次解析を押し進め、エンハンサー発現制御の遺伝基盤と、人種間比較の知見を得るためにさらに解析を進める。
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