2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the gene expression cascade responsible for male sexuality and acquisition of fertility
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20H00469
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
本多 新 自治医科大学, 医学部, 教授 (10373367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯谷 綾子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (20444523)
的場 章悟 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 専任研究員 (20585202)
大田 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50391892)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | iPS細胞 / アマミトゲネズミ / マウス / ラット / 胚盤胞補完法 / 生殖細胞体外再構築 / 性決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は性染色体構成がXO型の絶滅危惧種、アマミトゲネズミのiPS細胞を用いて、生殖巣や生殖細胞を異種間キメラの体内、もしくは体外分化誘導により作製し、どのように個体や生殖細胞の性が形成されるのかを解析する研究である。マウスやラットを宿主に用いた異種間胚盤胞補完法や体外再構築システムを駆使して、アマミトゲネズミの生殖巣や生殖細胞を作る。その過程で生じる精巣、卵巣、精子、卵子を解析することにより、Y染色体に依存しない雄性決定の謎に迫ることを目的としている。研究期間内に京都大学から自治医科大学に異動したこと、およびコロナ禍で研究が滞った時期もあったが、新しく動物実験室も整備でき、順調に研究が進み出している。アマミトゲネズミiPS細胞を用いたマウス/ラットの異種間キメラ作製(補完法)も順調である。また、これまでに樹立したオスのアマミトゲネズミiPS細胞は、部分的な多能性を獲得しているものの、三胚葉性のテラトーマを形成する能力やキメラとして胚に寄与する能力に乏しいことが判明したことから、新しい体細胞を用いてオスのアマミトゲネズミiPS細胞を樹立する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異動とコロナ禍の影響により、一時期、動物実験ができずに研究が滞る状況が合ったが、動物実験室の整備や麻酔薬の調達も以前と同様に動き出した。マウスやラットでの異種間胚盤胞補完の予備実験も順調である。また、これまでに樹立したオスのアマミトゲネズミiPS細胞は、部分的な多能性を獲得しているものの、三胚葉性のテラトーマを形成する能力やキメラとして胚に寄与する能力に乏しいことが判明したことから、新しい体細胞を用いてオスのアマミトゲネズミiPS細胞を樹立する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに樹立したオスのアマミトゲネズミiPS細胞は、部分的な多能性を獲得しているものの、三胚葉性のテラトーマを形成する能力やキメラとして胚に寄与する能力に乏しいことが判明した。今年度は現在アマミトゲネズミの飼育と繁殖に成功している施設から、できるだけ若い個体の体細胞組織を入手し、オスのiPS細胞を樹立する。また、胚盤胞補完法については特に生殖細胞への寄与が優先的に生じやすいラットを宿主として行ってきた。マウスでは生殖細胞の補完を可能にするNanos3の遺伝子や、生殖巣の補完を可能にするSF1遺伝子をゲノム編集で破壊しその胚を宿主にしてきたが、ゲノム編集効率において100%の破壊効率とはならず、必要な割合の補完用宿主胚とはなりにくいことが判明した。そこで、今年度はすでに生殖細胞の補完に成功しているマウス胚を用いること、およびCre/loxpシステムを用いた完全破壊システムを適用して異種間補完を成し遂げる予定である。
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