2020 Fiscal Year Annual Research Report
複雑骨格天然物生合成酵素の精密構造機能解析に基づく合成生物学と創薬
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20H00490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 郁朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (40305496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淡川 孝義 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (80609834)
森 貴裕 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (60734564)
牛丸 理一郎 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (10873648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 合成生物学 / 生合成工学 / 酵素工学 / 天然物化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
複雑骨格天然物の新奇な生合成マシナリーの詳細とその立体構造基盤の解明と創薬を目的とした。本研究では、人為的な機能制御と分子多様性創出の格好のモデルともいえる、強力なタンパクリン酸化酵素活性化作用を示すテレオシジンなど、テルペンインドール・アルカロイドとその関連化合物をとりあげた。有機化学を基盤として、その生合成マシナリーの詳細を酵素・遺伝子レベルで明らかにするとともに、酵素反応機構とその立体構造基盤を解明した。また、酵素タンパクの立体構造情報に基づく合理的な触媒機能の改変により、さらなる分子多様性と新規骨格の創出をめざした。本研究により合成生物学と創薬研究の革新的ツールとなる超天然型新規生体触媒と創薬シード化合物の創製を実現をめざした。2020年度は、テレオシジン骨格構築に科川rP450酵素に、合成基質アナログを用いた酵素反応とX線結晶構造解析により、本酵素が触媒する9員環ラクタム形成の反応機構を解明し、さらにメカニズムを基盤とした基質デザインにより、新規indolactam類縁体とこれまでにない6/5/8縮環構造を有する新規化合物の創出を達成した。また、関連する非リボソームペプチド、テルペノイド、メロテルペノイドなどの新規生合成マシナリーを見出し、その機能解明、生合成改変などに成功、質量ともに充実した研究成果を挙げることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、予定していたポスドクの来日が遅れ、国内外の学会、研究打ち合わせのキャンセルなどのため当初遅れがあったが、一方で、質量ともに充実した研究成果を挙げることに成功した。内外との共同研究者とも着実に多くの優れた論文として結実した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は最終年度。引き続き、関連する複雑国家ウ天然物を取り上げ、その生合成マシナリーの詳細を酵素・遺伝子レベルで明らかにするとともに、酵素反応機構とその立体構造基盤を解明する。また、酵素タンパクの立体構造情報に基づく合理的な触媒機能の改変により、さらなる分子多様性と新規骨格の創出する。本研究により合成生物学と創薬研究の革新的ツールとなる超天然型新規生体触媒と創薬シード化合物の創製を実現をめざす。3年間の研究成果を取りまとめる。
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Research Products
(20 results)