2023 Fiscal Year Annual Research Report
ダメージ関連分子による炎症・免疫応答系の制御機構の解明
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20H00504
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 維紹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (50133616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半谷 匠 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員研究員 (50785350)
柳井 秀元 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (70431765)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫シグナル伝達 / 恒常性維持 / 自然免疫受容体 / TCTP / がん / 炎症 / DAMPs / 核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自己由来分子による炎症・免疫応答の調節機構を解明し、その破綻としての各種疾患の発症についての理解を深めることにある。死細胞やスト レスを受けた細胞からダメージ関連分子パターン(Damage-associated molecular patterns; DAMPs)と呼ばれる自己由来分子が放出され、それらが炎症・免疫系を 調節することが注目されつつある。しかしながらその本体や作用機構には未知の点が多い。我々はこれまでに代表的なDAMPであるHMGB1(High-mobility group box-1 protein)の機能解析を推進するとともに、TCTP(Translationally-controlled tumor protein)やU11 small nuclear RNA(U11 snRNA)をはじめとする新規 DAMP分子群を独自に同定している。本年度において、細胞外HMGB1の機能を解析するため、恒常的にHMGB1を細胞外に放出させる仕組みを組み込んだコンディショ ナルノッ クインマウスを作成し、細胞外HMGB1の炎症生疾患における役割についての解析を進めた。また、細胞外に放出されたTCTPが腫瘍微小環境中に骨髄由来免疫抑制細胞(PMN-MDSCs)をリクルートし、抗腫瘍 免疫応答を抑制することを突き止め、細胞外TCTPは腫瘍増殖を促進することを明らかにした。細胞外TCTPの機能を阻害する中和抗体の作成を進め、これが腫瘍増殖を抑制する可能性があることも明らかにした。またさらに、免疫応答制御に関わる新たな死細胞由来分子について同定と解析を進め、スペルミジンががん死細胞から放出され、T細胞活性化を抑制することを見出した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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