2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the malignant progression of tumors affected by tumor angiogenesis
Project/Area Number |
20H00516
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高倉 伸幸 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80291954)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腫瘍 / 血管形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
VEGFという血管形成に必須といわれてきた分子の阻害だけでは抗腫瘍効果は限定的であることが判明し、従来考えられてきた腫瘍血管形成の機序である、既存の血管から新しい血管が発芽して伸長する、いわゆる発芽的血管新生の概念から脱却した、腫瘍血管形成の分子機構の本当の原理を解明し、その機序に立脚した、新しい腫瘍環境の整備法を見いだすための概念を創出することを本研究の目的とした。そして、このような新しい血管形成の分子機序の理解の上で、腫瘍環境の変化と同時に生じる、がん細胞の上皮間葉転換などの悪性化の誘導、あるいはその抑制の機序を解明し、腫瘍生物学における新しい研究分野の創出につなげるべく研究を遂行した。 令和2年度においては、研究項目1:新規腫瘍血管形成メカニズムである「伸展型血管新生」の分子機序の解明において、VEGF受容体2阻害抗体やVEGF受容体のチロシンキナーゼ阻害剤など血管新生抑制剤投与によっても腫瘍縮小が観察されない担がんマウスモデルを用いて、腫瘍内の血管と腫瘍環境に存在する血液細胞の質的および量的変化を解析した。その中で、特に変化の多かった骨髄球系細胞をターゲットにして、血管リモデリングとの関係を解析していくことを決定した。また、研究項目2:がんの悪性化に関わるアンジオクライン機構の解明、においては、ケラチノサイトのEMTが候補分子Xによってどのように抑制されるのかを解析し、候補miRNAの導入で、EMT関連遺伝子の発現に抑制がかかることを発見した。一方で、がん細胞に薬剤抵抗性を付与するアンジオクラインシグナルとしてスクリーニング結果得られた候補分子Yについては、血管内皮細胞とがん細胞の共培養系を駆使して、血管内皮細胞で候補分子Yの発現を誘導することで、がん細胞と共培養中にのみ発現が亢進する複数の遺伝子候補が得られた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)