2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism from built environment to health toward primordial prevention
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20H00557
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花里 真道 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00608656)
辻 大士 筑波大学, 体育系, 助教 (90741976)
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 建造環境 / well-being(幸福・健康) / ゼロ次予防 / ソーシャル・キャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,理論仮説モデルを構築すると共に,既存データを用いた分析を進めた.まず,文献レビューに基づき、ウォーカビリティ(歩きやすさ)や人口密度,公共交通機関の整備状況,緑地などの多要素からなる建造環境からwell-being(幸福・健康,WB)に至る理論仮説モデルを作成した。次に,2003年,06年,10年,13年,16年,19年に実施した延べ75万人の高齢者大規模データを活用し,多様な建造環境とWBとの関連を検討した.上述の理論モデルで想定した仮説群について,建造環境と,高齢者の歩行時間など身体活動指標,うつ・幸福感などの心理指標,フレイル,要介護認定,認知症発症などの健康指標との関連について検証した.その結果,スポーツの会の参加割合が高い社会環境に住む高齢者では、閉じこもりが少なく、運動の行動変容ステージが高かった。そして,周囲に緑地や水辺があり,校区レベルの子ども人口密度や街路の接続接続性が高いと高齢者のうつリスクが低かった。さらに,地域レベルの社会経済的状況,社会参加しやすい環境や住宅・建造環境(食料品へのアクセス)が社会環境レベルで認知症発症リスクを抑制する可能性がわかった。質問紙で得た主観・心理的評価やソーシャル・キャピタルなどの社会関係のデータ整備に加え,活動量計やGIS(地理情報システム)などで収集する客観データも用いた調査実施に向けて,協力自治体をはじめとする関係各所との調整を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築した理論仮説モデルに基づき、既存データを整備し、新規データ取得の準備を進めている。整備したデータを活用し、建造環境とWBに関する学会発表、論文投稿を複数実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、建造環境とWBとの関連を検証を継続する.整備した延べ75万人の高齢者大規模データを活用し多様な建造環境とWBとの関連を検討する。さらに,既に理論モデルで想定した仮説に沿って,健康指標の地域間格差の背景にある地域環境要因としての建造環境要因の解明,スポーツ施設や緑地・公園、歩道整備率などからなるウォーカビリティなどの建造環境と,高齢者の歩行時間など身体活動指標,うつ・幸福感などの心理指標,膝痛・腰痛,運動機能低下,健康寿命の喪失,要介護認定,認知機能低下,死因別または総死亡などの健康指標との関連についての検証を継続していく。
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Research Products
(21 results)