2022 Fiscal Year Annual Research Report
レセプトデータを基軸としたデータ駆動型臨床疫学研究の基盤開発
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20H00563
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 治久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30572119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能登 真一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00339954)
東 尚弘 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (10402851)
石黒 智恵子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 臨床疫学研究室長 (20858782)
北村 哲久 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30639810)
戸高 浩司 九州大学, 大学病院, 教授 (40398061)
小野 玲 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50346243)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
船越 公太 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (60536853)
土井 剛彦 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 副部長 (60589026)
熊谷 成将 西南学院大学, 経済学部, 教授 (80330679)
鴨打 正浩 九州大学, 医学研究院, 教授 (80346783)
後藤 温 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (80644822)
井手 友美 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90380625)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レセプトデータ / 患者レジストリ / 臨床疫学 / ビッグデータ / データベース医学 / データ駆動型研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,臨床的・政策的に真に貢献可能なエビデンスを創出できるデータ駆動型臨床疫学研究の基盤を構築することである.そのために,研究代表者が自治体と共同研究をしているLIFE Studyにおいて収集しているレセプトデータを基軸に,行政・学会・医療施設が保有する詳細な患者レジストリデータをリンケージしたデータベースを開発することである.それにより各DBが相補的・相乗的な効果を発揮し,かつてない規模の臨床疫学研究が実施可能になり,将来の国家的データベース事業へ昇華させるためのモデルケースの確立をめざしている.そのために,2022年度においては,(1) LIFE Studyにおいて構築したDBを用いた臨床疫学研究の実施と,(2) 行政・学会・医療施設が保有する詳細データのリンケージに着手した. (1)の臨床疫学研究として,新型コロナウイルス感染症,認知症,骨折,インフルエンザ,腰痛,精神疾患,抗菌薬,肺炎球菌感染症,循環器疾患,腫瘍循環器,メタボリックシンドローム,フレイルなどの疾患を対象に,23つの原著論文発表と25件の学会発表を行うことができた. (2)の外部データベースのリンケージにあたっては,2021年度における弁護士および研究倫理の専門家との検討結果を踏まえて,法的・倫理的課題を克服可能な状態で,行政・学会・医療施設が保有する詳細データのリンケージの予備的検証を行った.さらに,住民のPatient Reported Outcome情報を収集するために,自治体の協力を得て,1自治体の個人単位でのEQ-5D-5Lデータを収集した.このデータを医療レセプトデータとリンケージ可能なデータベースを構築した.住民単位でEQ-5D-5Lデータとレセプトデータを統合したデータベースは他に例のない稀有な成果を出すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,臨床的・政策的に真に貢献可能なエビデンスを創出できるデータ駆動型臨床疫学研究の基盤を構築することである.そのために,研究代表者が自治体と共同研究をしているLIFE Studyにおいて収集しているレセプトデータを基軸に,行政・学会・医療施設が保有する詳細な患者レジストリデータをリンケージしたデータベースを開発することである.それにより各DBが相補的・相乗的な効果を発揮し,かつてない規模の臨床疫学研究が実施可能になり,将来の国家的データベース事業へ昇華させるためのモデルケースの確立をめざしている. 2022年度は,2021年度に収集した死亡票,病院保有検査値データ,救急搬送データを取得して,レセプトデータ等とのリンケージを予備的に実施することができ,リンケージ可能性について重要な知見を得た.また,1自治体の協力を得て,1自治体の個人単位でのEQ-5D-5Lデータを収集した.このデータを医療レセプトデータとリンケージ可能なデータベースを構築することができた. さらに,研究分担研究者の限定せずに,様々な研究機関に所属する多くの研究者との共同研究体制を構築し,毎月2回の研究セミナーを開催し,多数の研究成果を上げることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,2022年度に引き続き,既に構築しているLIFE DBに大学・学会・行政保有のレジストリをリンケージし,データ駆動型臨床疫学研究を推進する.以下のレジストリ等を対象にリンケージを実施する: (1)脳卒中領域ではFukuoka Stroke Registry(FSR)を対象とする.リンケージ項目として施設名,年齢,性別,入院日,退院日,血液検査日,画像検査日を使用してデータリンケージする. (2)心不全領域ではJROADHFを対象とする.JROADHF参加病院におけるDPCデータから,施設名,年齢,性別,入院日,退院日,外来受診日を使用してリンケージする. (3)がん領域では院内がん登録を対象とする.がん診療連携拠点病院に対して本研究への研究協力依頼を行い,同意を得られた医療機関から院内がん登録情報を,個人情報を除外した上で取得する.施設名,生年月,性別,自施設診断日,自施設治療開始日を使用してリンケージする. (4)Patient Reported Outcomeとして,2022年度に国保加入者・後期高齢者を対象に実施したEQ-5D-5Lの質問票調査の患者QOLデータとLIFE DBをリンケージする.それにより,健康状態別の患者QOLを算出する. (5)死亡データでは,2022年度に取得した死亡票を用いて,自治体保有の台帳情報記載の死亡年月日と死亡票の記載の死亡年月日を使用してリンケージする.
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Research Products
(49 results)