2022 Fiscal Year Annual Research Report
Control and learning principle for interpersonal motor skill
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20H00572
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 裕二 新潟医療福祉大学, 心理・福祉学部, 教授 (30191456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 章文 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10389083)
福原 洸 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10827611)
横山 慶子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (30722102)
島 弘幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40312392)
小林 亮 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 名誉教授 (60153657)
加納 剛史 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80513069)
石黒 章夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90232280)
奥村 基生 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対人運動技能 / 社交ダンス / 駆け引き / 規則性 |
Outline of Annual Research Achievements |
社交ダンスのプロの動き(ナチュラルターン)をモーションキャプチャで撮影し,解析した.その結果,単独でステップを踏むよりも,互いの力を利用して,よりステップ幅の大きなターンが行われていることが明らかになった.この結果をもとに,これまでに開発していた,2つの倒立振子ロボットをバネで結合した結合倒立振子モデルでも一人の場合と二人の場合でシミュレーションを行ったところ,2人が協調運動を行うことで,一人で踊るよりも大きく移動できることが分かった. また,二者が競合しながら対戦を繰り返す中で,さまざまな方略が見られるであろう実験課題を考案した.この課題は手押し相撲をコンピュータ上で行うようなもので,ジョイスティックでディスプレイ上に表示される円形の自らを動かし,相手に体当たりをすること,あるいは相手の体当たりをよけることで,円状のコート上で相手より長く居続ければよいという課題である.移動の慣性,円の大きさ,コートの大きさなどパラメータを変えることで,さまざまな戦略が見られることが予備実験で分かった. ネット型対人競技の分析では,コート上の選手の動きを質量―バネ―ダンパモデルで表現することによって,入力系列の遷移確率の違いが動きにどのような影響を及ぼすかをフラクタル次元から検討することとした.その結果,熟達者の入力系列の遷移確率は完全なランダムと完全な交互の間にあり,かつ中級者よりも交互に近い規則性を有することが明らかになった.このことは,熟練者は自らの行動に規則性を生成し,相手にその規則性を予測させることで,結果的に相手の予測を裏切る方略を用いていることが示唆され,これが熟練者の行っている駆け引きであると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
社交ダンスに関しては,ようやく人の実験(行動観察)ができ,数理モデルを検証する観点が提供できた.また,新たに対人技能としての「駆け引き」を検討できる,二者の競合課題の学習を扱える実験課題を開発したことで,今後学習則を検討できるめどがついた.
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Strategy for Future Research Activity |
新たに開発した実験課題を用いて,学習実験とその数理モデル化を試みる.さらに,対人運動技能に関しては,ネット型,野球型の研究結果を公表していく.
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