2022 Fiscal Year Annual Research Report
Cortical mechanisms of color vision in human and their perceptual correlates
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20H00597
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
栗木 一郎 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (80282838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 真美 中央大学, 文学部, 教授 (50282257)
金子 沙永 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (60763183)
塩入 諭 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70226091)
金沢 創 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80337691)
楊 嘉楽 中京大学, 心理学部, 講師 (80844703)
上野 賢一 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 技師 (90332337)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 色覚 / 脳活動 / 心理物理学 / fMRI / EEG / 乳幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
fMRI実験および脳波実験を実施した. fMRIにおいては,ノイズ抑制を目的として,これまでに実施した実験のデータ数をさらに増やすための実験を行った.fMRIのデータの解析においては,灰白質上で関心領域を特定した方法での解析パイプラインを確立した.その結果,色覚に関する2種類の課題において脳活動に差異が認められた部位が存在することを明らかにした.低次の視覚野においては色覚課題を実施中の脳活動の類似性が高いのに対し,腹側部に存在する色の情報処理を行う高次の領野では2つの色覚課題における脳活動の類似性が低下する傾向が見られた.この成果については国際会議(北米神経科学会;SfN)において発表を行い,多くの参加者から助言や意見を得ることができた. 脳波実験については,解析技術を確立し,個人の固有の脳波波形が議論できるレベルになった.脳波の個人差を利用した解析手法については現在論文を執筆中である.個人差の要因となる色知覚の個人差について心理物理学的研究により複数の色知覚特性を計測する実験を行い,その結果を国内学会(日本視覚学会)でポスター発表を行った.脳波実験については,乳幼児についても実験及び解析を行っており,成人の脳波の特徴との比較を行うための解析を実施中である. また乳幼児研究について共同研究を行っている山口教授から,日本科学未来館での色の見え方に関するワークショップの開催への協力を打診され,2023年8月に共同でワークショップ(講演と体験)を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
fMRI実験では,実験場所の視覚刺激提示装置の故障により,視覚刺激の別の呈示手法の確立に時間を要した.また,データの低SNRとMRIの空間解像度の限界によるアーティファクトにより,脳活動の多次元尺度構成法による解析に問題が生じた.これは機能的MRI画像の空間解像度(3 mm)と神経細胞の大きさの関係に由来するもので,複数の色に対して選択的な細胞が1つの画素の中に存在することに起因している.この問題を解析手法によって解消するために時間を要している. 脳波実験については,ようやく信頼できるデータ解析手法が確立したが,これまでは解析手法のデバッグに主に時間を要した.乳幼児の脳波研究については,まとまった数の脳活動を1人の参加者から得ることが難しく,参加者数を多くしてデータ数を十分に増やす必要に迫られたためデータ取得に時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
fMRI研究においてSNRを改善する方法については,一般線形モデル(GLM)による解析と,複数試行のデータを組み合わせて解析する方法の改善を開発する.MRIの空間解像度の限界に伴うアーティファクトを回避するための解析方法を開発し,試行をしている.今後この解析手法を確立させ成果発表のための論文執筆を進めて行く.その傍らで,統制実験に関するデータ収集を行う.また,昨年度に取得した追加データを元データと統合する方法についても最善策を模索する.脳波研究においては,被験者数を増やすことを第一の目標とする.並行して,これまでに得られた成果をまとめ外部発表していく.
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