2022 Fiscal Year Annual Research Report
New development of spatio-temporal molecular programming
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20H00618
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村田 智 東北大学, 工学研究科, 教授 (10334533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 生吹 東北大学, 工学研究科, 助教 (30733977)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 時空間分子プログラミング / DNAコンピューティング / 反応拡散系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,(1)時空間分子プログラミングに適した反応系の設計,(2)形成したパターンの物質化,(3)シミュレーションモデルの構築の3つを研究目的としている.(1)の時空間プログラミングに適した反応系の設計については,これまでの研究でゲル中のDNA分子反応に基づくカスケードパターン形成の理論的および実験的方法論を確立した.(2)の形成したパターンの物質化については,媒質をゲルからゾルに拡張し,パターンが形成された場所に特異的な性質(粘性,拡散係数など)の制御をねらっている.前年度に発見したパターン形成後にパターンの位置が動的に変化する現象について繰り返し実験を行い,再現性を確認した.また,反応槽の大きさや形状,反応温度,DNAモチーフの濃度などを様々に変化させた実験も行い,動的パターンの発生と消滅がどのような条件下で起こるかプロセスの解明を進めた.(3)のシミュレーションモデルの構築については,(2)の実験結果を説明するモデルを検討した結果,従来の反応拡散モデルの単なる拡張では記述が難しいという感触を得ている.今後は移流反応拡散モデルを含めて新たな枠組みを検討する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゾル媒体における反応拡散系で,動的なパターン形成という新規な現象を発見し,その機序の解明を進めているがまだ定性的な理解にとどまっている.これが定量的にモデル化できれば,時空間パターン形成研究の新しい展開が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き高粘度のアクリルアミドゾルを媒質として,動的パターンの発生と消滅のプロセスの原理の解明を進める.特に,モチーフの分子設計そのものの変更を含めて検討する.動的パターン形成のモデル化のために移流反応拡散系の構築を試みる.
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Remarks |
分子ロボティクス研究室ウェブサイト/研究成果/反応拡散によるパターン形成 http://www.molbot.mech.tohoku.ac.jp/achievements/
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Research Products
(3 results)