2023 Fiscal Year Annual Research Report
短時間高活性水熱前処理を用いた利益創出・エコ型バイオマス全成分有効利用法の開発
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20H00644
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 嘉利 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (20172455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 真希 (高野) 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (10444192)
浅田 元子 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (10580954)
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)
中崎 清彦 創価大学, プランクトン工学研究所, 教授 (70180263)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイオマス全成分有効利用法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、廃竹(Phyllostachys pubescens)に含まれるセルロースだけでなくリグニンも有用製品に変換できるトータル利用システムを開発するため、抗酸化作用を有するポリフェノールの効果的な抽出、セルロースナノファイバー(CNF)の調製および低分子量リグニンの効率的抽出分離のための加圧マイクロ波アシストエタノール溶媒(PMAES)処理を検討した。抽出物の抗酸化活性はDPPHラジカル捕捉活性を測定して評価し、調製したCNFの樹脂補強効果はポリ乳酸(PLA)との複合体の引張強度を測定して調べた。最大抗酸化活性(EC50= 59.3 μg/mL)を持つ抽出物は50 v/v% エタノールで 180 ℃ で 7 min処理した竹から得ることができた。この値は、未処理の水抽出竹の0.158倍であり(EC50値が高いほど抗酸化活性が高い)、PMAES処理は抗酸化物質の抽出に有効であることがわかった。同処理条件で、CNFとポリ乳酸(PLA)複合体の最大引張強度91.8 MPaがCNF比30 wt%で得られ、この値はニートPLAの13.9倍、市販のCNF同比率のCNF/PLA複合体の2.39倍に相当した。PMAES処理は、抗酸化物質の抽出だけでなく、樹脂補強効果の高いCNFの作製にも有効な方法であった。また、得られたセルロースナノファーバー(CNF)にはリグニンがある程度含まれており、それを原料としてDDSを作成し、MKN45(ヒト胃がん細胞)を腹膜播種したマウスを用いて治療効果を検討した結果、CNFをDDSとして腹腔内投与した場合のマウス生存日数は未投与の1.3倍になることを明らかにした。また、抽出分離されたリグニンは樹脂原料だけでなく、樹脂硬化剤としても利用可能であった。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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