2022 Fiscal Year Annual Research Report
生物の系統・全ゲノム情報を利用した貿易を通じた種多様性・固有性評価に関する研究
Project/Area Number |
20H00651
|
Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
金本 圭一朗 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (20736350)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 功次郎 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (10632119)
土中 哲秀 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30824982)
久保田 康裕 琉球大学, 理学部, 教授 (50295234)
筧 雄介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 主任研究員 (50636727)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ゲノム / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちの消費は複雑なグローバル・サプライチェーンを通じて、消費している場所とは全く異なる場所で種を絶滅の危機に晒していることが明らかになってきた。例えば、研究代表者らが、Nature誌に掲載してきた研究によって、日本の木造住宅の建設が、日本の製材業、パプアニューギニアでの森林伐採というサプライチェーンを通じて、パプアニューギニアで多くの生物を絶滅の危機に晒していることが明らかになった。研究代表者らのこれまでの研究では、生物多様性を定量化するために、種数を使うことでサプライチェーンを通じた生物多様性への影響を明らかにしてきた。しかしながら、種数などの多くの既存指標には問題があり、より多面的な生物情報を使うことが求められる。 本年度は、木本植物のゲノム情報を利用した創薬関連のポテンシャルマップの作成に成功した。ゲノム情報の中にある、酵素の情報を1434種の木本植物について取り出した。そして、それぞれの種の種分布情報から、どの酵素が、どのような地域に偏在しているのかを明らかにした。その結果、創薬関連の酵素は、全体としては特定の地域に依存してはないものの、特定の酵素に対してはかなり依存していることが明らかになった。また、化学的なプロセスを含めた酵素の組み合わせについても、検討を行った。その結果、shikoninやbenzylisoquinolineについては、さらに特定の地域に依存しているものや、あまりどの地域にも依存していないものなどが観察できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していた様々なゲノム関連の指標の中でも創薬関連に絞った解析を進めた。これまでに想定していた以上に政策的に有用な指標の開発ができた。一方で、サプライチェーン解析までは本研究の最終年度までには終わらない見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
論文の遂行と投稿を主に実施する。サプライチェーン解析については、今後の課題としたい。
|