2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a lymphatic drug delivery system for local control of metastatic lymph nodes to systemic metastatic therapy
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20H00655
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40271986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 清人 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10187338)
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (70400299)
森 菜緒子 東北大学, 大学病院, 助教 (90535064)
加藤 茂樹 近畿大学, 医学部, 助教 (90790767)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん / 転移 / リンパ節 / 薬物送達法 / リンパ行性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではリンパ節介在血行性転移理論の普遍性を検証し, この概念を根拠に臨床的N0センチネルリンパ節のLDDSの局所制御が全身転移の治療にも有効であることを立証するものである. この目的を達成するために, 以下の3つの課題に取り組む. すなわち, (A)リンパ節介在血行性転移理論の普遍性の検証, (B)LDDSの溶媒特性と抗腫瘍効果の検証, (C) 免疫チェックポイント阻害剤を併用したLDDSの抗腫瘍効果の検証, である. 本年度は課題(A)について研究をおこなった.(A1)ルシフェラーゼ遺伝子および光変換型蛍光遺伝子が共発現する細胞株, およびルシフェラーゼ遺伝子およびtdTomatom遺伝子が発現する細胞株の樹立をおこなった. (A2)光変換型蛍光遺伝子の発現にともない生成されるタンパク質の蛍光特性を変化させるレーザーシステム, ならびに変換されたタンパク質を可視化する顕微鏡システムを完成させた. (A3)頭頸部がん患者および乳がん患者から摘出されたリンパ節の組織標本を解析するために, 学内での倫理委員会に計画書を提出し, 承認を得た. 現在, 病理切片を作製中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で, 学内での研究活動が制限され, また実験用試薬の納期が遅れた. さらに実験室内の実験装置が相次いで故障し, その復旧に時間を要した. ただ, この環境下においても,実験計画通りに成果を得ており, また, 新たな知見が得られたので, 次年度以降, 計画を一部変更し, 研究内容をさらに進展させる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度においては, 課題(A)で達成できなかった項目を終了させる. 項目(A1)に関しては, トランスフェクションの最適化, シングルクローニングを実施し, 共発現細胞を樹立する .(A2)最適条件に関わるレーザー光照射因子はレーザー光の照射時間, 照射繰り返し数, 光強度である. これらパラメータの調整が可能なPCプログラムを作成し, 最適化を図る. (A3)に関しては, 検体あたり, スライド200以上の切片を目標とする. 薄切を終了後, 血管およびリンパ管をそれぞれ血管内皮細胞マーカーである抗CD31抗体およびリンパ管内皮細胞マーカー抗体ポドプラニン抗体で染色する. 病理標本作製後に,3D画像構築に取り組む. 転移リンパ節内でのリンパ管, 血管を3次元に描写することで, 腫瘍細胞を同定する. (B)LDDSの溶媒特性と抗腫瘍効果の検証, および (C) 免疫チェックポイント阻害剤を併用したLDDSの抗腫瘍効果の検証に関する研究も推進する.
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