2022 Fiscal Year Annual Research Report
脳疾患部位を標的とする先端的核酸デリバリー技術の確立と脳疾患治療への挑戦
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20H00658
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 完二郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50436523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 陽祐 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (00452714)
藤 加珠子 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 研究員 (90342732)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 薬物送達システム / 核酸医薬 / ナノ医薬 / 機能性核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳内に核酸医薬を効率良く送達することのできるデリバリーシステム(あるいはナノ医薬)の開発を目標にした。この目標を達成するために、1~2 分子のポリマーと1分子の核酸医薬から形成される最小スケールのナノ医薬「ユニットポリイオンコンプレックス(uPIC)」を基盤技術として一連の研究を推進した。本年度は、(i) uPIC脳組織内分布評価、および (ii) 脳標的化リガンド導入に向けたuPICの改良、を中心に評価を進めた。(i) に関しては、前年度までに最適化された組成のuPICを用いて、脳内での組織浸透性評価を行なった。具体的には、蛍光標識核酸医薬を用いてuPICを調製し、脳室内投与後の脳組織内での分布挙動をin vivoイメージングシステム等を用いて観察評価した。その結果、核酸医薬単体と比して、uPICは投与部位近傍に滞留している様子が観察された。これより、uPICを用いた場合、その投与部位が治療標的に対して大きな影響を与える可能性が示唆された。(ii) に関しては、uPICを構成するブロック共重合体の改良、およびuPICに搭載すべき核酸医薬の機能化を検討した。前者に関しては、uPICを構成するY字型ブロック共重合体をグラフト共重合体に転換するという方法論を検討した。結果として、Y字型と同様に、グラフト共重合体を骨格に用いてもuPICが生体内で安定化されることを確認した。一方、核酸医薬の機能化に関しては、特殊な構造の機能性分子を化学修飾することで、核酸医薬の細胞内移行率を劇的に改善することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、uPICを用いた脳組織への核酸医薬デリバリーが進められている。具体的には、uPICを構成するブロック共重合体の設計評価、uPICの脳集積性/組織分布を含む生体内機能評価、および搭載する核酸医薬の機能化が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
脳梗塞などの脳疾患モデルに対するuPICの核酸医薬デリバリー効率を評価するとともに、機能化された核酸医薬とuPICデリバリーのシナジー効果を検証する。
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